理不尽な上司のせいで悩みが尽きない…
仕事は楽しい、仲間にも恵まれていると思う。あの上司を除けば。上司の言いたいことがわからないわけではないけれど、言っていることが理不尽すぎて対応できない。だけど対応できないことすら私のせい。こんな日々がこれからも続くの?これからもこの理不尽な環境には耐えなきゃいけない?
仕事の環境がどんなに良くても、仲間がどんなに好きでも、上司との馬が合わなかったり上司の機嫌を伺わないといけなかったりするなど、上司との関係で悩む人は少なくありません。中には理不尽な物言いでストレスを溜まり、結果として転職を選ぶことも。
ここでは理不尽の意味や、理不尽な上司の特徴などをまとめてご紹介します。
理不尽の意味とは|わかりやすく解説
多くの場面で「理不尽」という言葉を耳にしますが、実際にはどのような意味なのでしょうか。「理不尽な物言い」や「理不尽な要求」など、さまざまな使い方がありますが、場面によって意味合いが少し変わってきます。
ここでは、一般的に使われる「理不尽」の意味を3つに分けて紹介・解説します。
道理にかなわないやり方をすること
道理にかなわないやり方をすることを「理不尽なやり方だ」と表現することがあります。道理とは「物事の正しい道筋」「筋が通っていること」です。
例えば、自分に非がないにもかかわらず、同僚や上司のミスが自分のせいにされることが道理にかないませんし「理不尽な怒られ方」といえるでしょう。
無茶苦茶なこと
「通常1週間かかるけれど2日で仕上げて」「明日から別の部署に移動して」など、無茶苦茶なことを要求されることがあります。これらは理不尽な要求です。
上司は部下に指示を出し、スケジュールや仕事の進捗を調整すること、周りとの連携を取るのが仕事です。しかし、うまく回すことができずに理不尽な要求を部下にすることで、部下の精神面にも影響し現代では社会問題にまで発展しています。
因果が矛盾していること
無茶苦茶なことや、道理にかなわないことと同じく、因果関係が矛盾していることも「理不尽」の意味の一つです。
例えば、テストがすべて100点なのに成績表や通知表での評価が5段階評価で1だったり、登校や出社停止と判断されているのに「登校・出社してこないこと」を理由に評価を下げられたりするなど。
出来事と理由の因果関係の矛盾は理不尽な要求や理不尽な怒りによくあるパターンです。
理不尽な上司にありがちな7つの特徴
ここでは理不尽な上司にありがちな特徴を7つご紹介します。自分と上司が合わない原因は理不尽さからくるものかもしれません。
理不尽な上司との付き合いが長くなると、自分自身の負担も増えてきます。自分を守るためにも自分の上司はどうなのか、判断する材料にしてみてください。
機嫌が悪いと態度が変わる
体調や機嫌に左右されることは誰にでもありますよね。しかし、機嫌が悪いことをあからさまに表情や態度に出したり、周りに気を遣わせたりするのは理不尽な振る舞いです。中には部下や周りのたった一言で機嫌があからさまに悪くなる人もいるでしょう。
機嫌の悪さを表に出すことで周りに半強制的に気を遣わせ、自分自身で自分の機嫌をコントロールできないと、周りは振り回されっぱなしで多く仕事の業務にも支障が出ます。
言うことがころころ変わる
言うことがころころ変わるのも理不尽な上司の特徴の一つです。
例えば、朝の指示では今日中にと言っていたのに急に1時間後までにと言ってくる、昨日はOKだと言っていた企画が理由もなくボツにされたなど。
仕事はその上司からのものだけではないでしょう。今日中にこなせるように、タスクを管理し調整しているのに急に時間が早まったり増えたりすれば、すべてのタスクを処理するのは難しくなり、結果的に遅れや、他のタスクにも影響します。
何でも人のせいにする
すべて「自分の責任だ」と追い込んでしまうのも良くありませんが、なんでも人のせいにして「自分は悪くない」というスタンスをとるのは上司として理不尽な態度といえます。
たとえ自分のミスでなくても、部下のミスをカバーし共に頭をさげる、解決のための指示を出すことが上司の役割です。自分のミスならなおさらでしょう。
自分の評価を下げないため、あるいはもっと上の立場の人から叱責などを受けないために、なんでも人のせいにしているのは理不尽な行いです。
余計なことを口走る
「あの人一言多いな」という人は、上司に限らずいますよね。余計なことを口走る人は、理不尽なこともさらっと口走ってしまいがちです。
口は災いの元、という言葉があるほどたった一言の威力は大きなものです。ちょっとした余計な一言が、取り返しのつかない事態に発展することもあるでしょう。
「あの上司と話すと、なんだか不快になるな」と感じたときは、余計なことを口走って理不尽さを感じているからかもしれません。
部下の手柄を自分のものにする
上司と部下で仕事内容は少し変わってきます。より責任が大きく、全体を取りまとめる立場にいる上司は部下の仕事の成果を褒め、伸ばし、育てていく必要があります。
「あの上司のもとにいると仕事がしやすい」環境が一番ですが、中には仕事の成果や手柄を自分のものにする人もいます。「ここと契約できたのは自分のおかげ」など部下の手柄を横取りし、自分の評価につなげる上司に理不尽さを感じる人は多いでしょう。
自分の考えを押しつけてくる
上司、部下といえども一人の人間です。会社の中で組織的な意見は大切ですが「こうでなければならない」と上司の考えを押し付けてくるのは理不尽といえます。
人それぞれ考えややり方があり、それらは尊重されるべきですが、上司の立場から「自分の考えがすべて正しい」と勘違いで意見を押し付けられてしまうことで、精神的ストレスを感じる人も少なくありません。
考えの押し付けは、部下や周りにも影響しやすいため「あの上司の元に行ってから人格変わった」などと言われる人がいたら、理不尽な要求が多くなってきているのかもと、気にかけてあげることも必要です。
他人の意見を聞き入れない
自分の意見の押し付けと同じく、他人の意見を受け入れない・聞き入れないことも理不尽な上司の特徴といえます。
会社や組織、チームはさまざまな意見ややり方が混ざり合って成り立っています。時には部下の意見が、組織の潤滑を良くすることもあるでしょう。しかし、理不尽な上司の中には「自分が上司である以上、他の意見は必要ない」と考える人もいます。
他人の意見を聞き入れず自分の考えだけで進行してしまうことで理不尽さが生まれ部下からの不満につながります。
理不尽な仕事とは
理不尽な上司との関係に悩むだけでなく、理不尽な仕事や指示をされることもありますよね。
理不尽な仕事とはどのようなものなのでしょうか?ここでは理不尽な仕事をいくつかご紹介します。「今まで普通だと思っていたけどこれって理不尽なのかも」と気づくかもしれません。
曖昧な指示をされる
どのような仕事にも、ある程度のスケジュールや進捗の共有、マニュアルやテンプレートなどがあります。
しかし、上司からの指示が曖昧だと自分のタスクとのバランスが取りづらいですよね。「手が空いてるときに、なる早で」「いい感じにまとめて」などの曖昧な指示は理不尽な指示にあたるでしょう。
その結果、良いものになるのであれば良いですがうまく進まなかった場合、部下を責める人も少なくありません。
能力に見合わない業務量
誰にでも得意不得意があり、ひとりひとり仕事を引き受けられるキャパシティが違います。無理をしなければならないことも時にはありますが、あまりにも能力に見合わない内容を割り振られてしまうのは理不尽といえるでしょう。
業務量は平等であるべきではありますが、各々の持っている能力や役割、できることは違います。自分の能力に見合わない過度な業務量となるのは、部下を追い詰める原因にもつながります。
上司がやりたくない仕事を振られる
自分にやりたくない仕事があるのと同じく上司にも嫌な仕事があるでしょう。しかし、それらの業務を部下に押し付けてくる、振ってくる場合は、職権濫用による理不尽な言動といえるでしょう。
上司の仕事は上司の仕事であり、部下のやるべきことではありません。しかし理不尽な上司の中には、自分がやりたくないからと部下にやるよう指示する人も少なくありません。上司がやりたくないからと言って、部下がやらなければいけないわけではありません。あくまでも上司の仕事は上司の仕事です。
業務に関係ない雑用
どのような仕事にも、細々とした雑務は発生します。それらは名もなき家事と同じく、あれこれとリスト化するのが難しいものです。業務に関係のある、ペンの補充やコピーなどのような雑用は致し方なく、必要なものですが業務に必要のない雑用は理不尽だと感じる人も多いでしょう。
例えば、お昼ご飯の買い出しやプライベートで行く場所のリサーチなど。これらは理不尽である上に、パワハラやモラハラにも当たる可能性があります。
上司がやるべきトラブル対応
クレーム対応や責任問題の追求先、取引先との最終決定や上層部との予算組など、上司のやるべき対応は多々あります。なかでもトラブル対応は、部下たち一人一人の言動を把握し、進捗を確認し、スムーズに進んでいくようにサポートできなかった上司であるが故の責任と言っても良いでしょう。
上司がすべきトラブル対応を、部下にそのまま対応させる、また別の部下のトラブル対応を同僚にさせるなどは理不尽な仕事といえます。
理不尽な上司に打ち勝つ7つの方法
どんな仕事でも上司の言いつけなら頑張らなければ、と考える人は多いでしょう。しかし、理不尽な要求や仕事の指示は本来従う必要がないものです。
理不尽な上司との関係で意識して打ち勝つための7つの方法をご紹介します。
まともに受け止め過ぎず、受け流す
毎日ある仕事の中で上司の存在を無視するわけにはいきません。報連相、業務の進捗などを含め必ず関わることが出てくるでしょう。
言われたことすべてを真正面から受け止めるのではなく「理不尽だな」と感じたものは受け流せるよう癖をつけてみましょう。「またなんか言ってる」「まったく無茶なことを…」と受け流して飄々とした態度を心がけてみると良いでしょう。
真面目で責任感があればあるほど、まともに受け止めてしまいがちですが、理不尽な要求は本来受け入れなくてもいいものであると念頭に置いておきましょう。
一定の距離を置く
仕事の際は割り切って、一定の距離感を保ちつつ接することも大切です。出社から退勤まで常に上司と共に行動しなければならない仕事は少ないでしょう。
一定の距離を置くことで、理不尽な言動や要求をしてこなくなる可能性もあります。またなにか理不尽な要求をされたときに断っても気まずさを感じることは少なくなるでしょう。
一定の距離を置くことは自分の精神面を守ることにもつながります。近すぎず遠すぎない程よい距離感で、上司と部下の関係性を保ちましょう。
気分転換する
理不尽な仕事や態度にはイライラが募りますよね。休憩時間やお昼の時間なども含めて気分転換になることをしましょう。
イライラした気持ちや、理不尽さをぶつけられたまま業務や作業に入ってしまうと、その心の乱れが業務にも影響する可能性があります。また、そのイライラを人にぶつけてしまい負の連鎖となってしまうことも少なくありません。
クラシックを聞く、お菓子を食べる、15分仮眠する…。自分なりの気分転換方法を見つけて、理不尽な上司からの要求によるストレスを発散しつつ業務を進めましょう。
悪い例として参考にする
反面教師という言葉がありますが、理不尽な上司を悪い例としてお手本にし、自分が上司の立場になったときに繰り返さないよう心に留めておきましょう。
会社の中では上司と部下という上下関係は切っても切り離せないものです。あれは悪い例なんだと認識しておくと、今後の人付き合いや関係性を築くときにも注意することができ、良好な関係性を築くことにつながります。
会社は組織です。今すぐに異動や性格を変えるのは難しいでしょう。どうせなら、悪いお手本とは反対の良い上司・良い同僚になるために努力した方が、自分の評価や周りからの信頼にもつながります。
異動があるまで…と割り切る
会社にもよりますが、自分や上司の異動がある場合は「異動するまで」と割り切って仕事に対応してみるのも良いでしょう。
一般的に上司と共に異動することは少なく、どちらかが異動し別部署やチームに行くことがほとんどです。プロジェクトごとであれば、そのプロジェクトが終われば、普段からの関わりが少なくなることも。
期間がわかっている場合は割り切って対応することで精神的負担も軽減されるでしょう。期間が決まっていない場合は、異動申請を自ら出す・上司のさらに上司に異動について相談するなどの対策を講じてみましょう。
冷静に確認する
理不尽な言動や要求をされたときには冷静に対応するのも一つの方法です。
「ということはこう言うことですよね?」「●●さんがおっしゃっているのはこう認識していますがお間違いないですか?」など、あくまで業務の確認・言ったことの確認として対応しましょう。
理不尽なことを言っている自覚がある人は、言い返されると思っていないことも多く、それだけでも言動を改めるきっかけになりえます。
理不尽さに腹を立てたり、理不尽で返したりするのではなく、冷静に要点や要求の整理をして確認をしましょう。
上司や人事に相談する
理不尽な要求はエスカレートすると、パワハラやモラハラにもつながります。早い段階で人事やさらに上の上司に相談するなど「部下の立場として困っている現状」を伝えておきましょう。
メッセージや音声があると良いですが、最初は軽く相談し、少し気にかけてもらう程度でも良いかもしれません。
その際、同じように理不尽な扱いを受けている同僚などがいたら一緒に相談すると良いでしょう。自分達が思っているよりも相談することは大切です。
理不尽な人間にならないために気を付ける7つのこと
理不尽な上司のそばにいると「もしかしたら自分もあんなふうに映っているのでは」「あんな上司になりたくないけれど、どうすれば…」という悩みもあるでしょう。
ここでは、理不尽な上司・理不尽な人にならないために気をつけるべきことをご紹介します。
感情的にならない
何かトラブルや嫌な態度を取られると、ついつい感情的な態度や言葉が出てしまいがちです。感情に素直なことと、感情的になんでも表に出てしまうのは、見え方・周りの感じ方が違ってきます。
感情的になりそうな時は一旦深呼吸してから話し出す、接することを心がけましょう。また、つい感情的な言い方や態度になってしまった時はすぐに謝ることで信頼関係につながります。
感情的な言動は誰の共感も協力も得られません。理不尽な言動は感情的になると知らず知らずのうちに出てしまいがちなので注意が必要です。
機嫌で態度を変えない
感情的にならないのと同じく、自分の機嫌や体調によって態度を変えないことも大切です。機嫌が悪いと、思わず冷たい言い方や投げやりな話し方になってしまう人も少なくありません。
「自分の機嫌は自分で取る」と言われているように、自分の機嫌の悪さは仕事仲間には関係ありません。気を遣わせて関係にヒビを入れるのではなく自分で自分の機嫌をコントロールできるようにし、周りからも話しかけやすい雰囲気をつくりましょう。
相手の立場を考えて発言する
上司部下など、上下関係はなくとも、お互いのことを思いやった発言は大切です。悩みや愚痴、対策の立て方などを話すとき、相手のことも、その向こうのクライアントのことを考えられない発言は信頼関係や人間性を疑う要因になります。
仕事において、重要ではないものや、誰にでもできるなんてことはありません。仕事になっているのであればどんなことであれ必要なものです。端的に発言するのではなく、相手の立場を考え、自分だったらどうするかを考えてから発言しましょう。
他人の意見を聞き入れる
ディスカッションや何か相談したとき、ちょっとした愚痴をこぼしたとき、相手からの意見を聞き入れる柔軟性があると理不尽な人にはなりにくいでしょう。
自分が考えていることや見えているものと、第三者から見た様子や視点は違います。自分が気づいていなかったことを教えてもらう機会です。否定するのではなくまず「そういう考え方もあるんだ」と受け入れるところから始めましょう。
ストレスを溜め過ぎない
ストレスを適度に発散しながら仕事に向かいましょう。ストレスが溜まると、人はどうしてもイライラしたり、悲しくなったりと感情に左右されてしまいがちです。機嫌の悪さが態度や言葉に出てしまうこともあるでしょう。自分なりにストレス発散できる方法を見つけておきましょう。
また、自分なりのストレス軽減方法がわかると、他人へのイライラやちょっとしたミスも「まあそういうこともあるよね」と許せるようになります。
コミュニケーションを深める
同僚、部下、他部署の仲間など、多くの人とのコミュニケーションを深めておくことで「この人はこういうところが苦手なんだな」「こんな考え方ややり方を取り入れているんだ」など、気づくことや学びも多くなります。
深くコミュニケーションをとることで相手のことを思いやったり、視野が広くなったりと、自分の成長にもつながるでしょう。自分が上司になったとき、チームを引っ張ることになった際も役立ちます。
自分の発言には責任を持つ
理不尽だと感じる要因の一つに、自分の言動に責任を持っていないことが挙げられます。自分の発言に責任を持ち「私が以前こう言ったからここまでは私がやるよ」など、自分で対応できる範囲を増やすことを意識しましょう。
言葉は一度言ってしまうと取り消せません。それはどんな場面であってもどんな関係性であっても同じです。
理不尽な上司に打ち勝ち、働きやすい職場環境にしよう!
会社に限らず、大きな組織になればなるほどさまざまな人に出会います。中には理不尽な言動が目立つ人もいるでしょう。そして何かの縁やタイミングで、理不尽な上司に当たってしまうこともないとは言えません。
どんな職場にもいる、相手によって態度を変えたり、部下に責任転嫁したりするような困った上司。理不尽な態度に振り回されると意識していなくてもストレスが溜まる一方です。
仕事は毎日あるからこそ、環境がとても大切です。理不尽な上司に打ち勝ち、自分らしく仕事を進められる環境にしていきましょう。