

「子どもを持たない人生」を選ぶ人が増えてきたけれど……

子どもが欲しいような、欲しくないような…。結婚したら自然と子どもを持つものだと思っていたけれど、いざその時期が近づくと迷いが生まれる。キャリアのこと、お金のこと、自分の時間のこと。考えれば考えるほど、答えが見えなくなってしまいますよね。
周りには「子どもはいらない」とはっきり言い切る人もいれば、「絶対に欲しい」と迷いのない人もいる。でも、あなたのように「どちらとも言えない」気持ちでいる人も、実はとても多いのです。
そんな迷いの中にいるあなたにとって、実際に子どもを産んだ人たちの本音を聞くことは、きっと大切な判断材料になるはず。「子どもはいらなかった」という声も知っておくことで、より冷静に選択できるかもしれません。
「やっぱり子どもいらなかった…」と感じる理由

実際に子どもを産んだ人たちの中には、想像していた子育て生活と現実のギャップに戸惑いを感じてしまう人もいます。もちろん、子どもを愛していないわけではありませんが、では一体何がそう思わせるのでしょうか。
1. 経済的な負担が大きい
「子どもにはお金がかかる」と頭ではわかっていても、実際にかかる費用の大きさに驚く人は少なくありません。おむつやミルク、保育園費、習い事の月謝、そして将来の教育費。毎月の家計を圧迫する出費に、共働きでも余裕がなくなり、以前は当たり前だった美容院代や洋服代、友人との食事代まで削るのが当たり前に。
自分磨きができない現実に落ち込み、ふと「やっぱり子どもいらなかった」と思ってしまう瞬間があるのです。
2. 自由な時間が減った
子どもが生まれる前は、休日に好きな時間に起きて、映画を見たり、友人と会ったり、趣味に没頭したりと、自分の時間を自由に使うことができる。しかし子どもが生まれると、そんな当たり前だった時間は一瞬で消えてしまいます。
夜泣きで睡眠不足、日中は子どもから目が離せず、一人の時間なんてほとんどない。「自分の人生はどこへ行ってしまったんだろう」と感じ、失った自由への憧れから「やっぱり子どもいらなかった」という気持ちが湧いてしまうのです。
3. 精神的・肉体的な負担が想像以上だった

夜中の授乳やおむつ替えで睡眠不足が続き、体力的にへとへとになる毎日。それに加えて、泣き止まない子どもにイライラしてしまう自分への罪悪感、周りのママたちと比べて落ち込む気持ち、パートナーとのすれ違い。想像していた「幸せな子育て」とは程遠い現実に「こんなはずじゃなかった」と感じてしまいます。
とくに産後うつのような状態になると、「やっぱり子どもいらなかった」という思いが頭をよぎることもあるのです。
4. パートナーと育児観が違った
結婚前や妊娠中は「二人で協力して子育てしよう」と話していたのに、いざ子どもが生まれると現実は違っていたケースも多いものです。パートナーが思うように育児に参加してくれない、しつけの方針が合わない、家事分担がうまくいかない現実に「なんでわかってくれないの」という不満が積み重なっていきます。
子どもを通して見えてきたパートナーとの価値観の違いに疲れ果て「一人だったら…」と後悔してしまうのです。
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子どもを持たない人生を選ぶメリット

子どもの有無に善も悪もありません。子どもを持たない人生にも確かな豊かさがあります。自分にとって何が大切で、どんな人生を歩みたいのかを考える材料として、その良さも知っておきましょう。
経済的なゆとりが生まれる
子どもを持たないと選択すれば、家計の使い道により多くの選択肢が生まれます。自分の趣味や興味のあることに投資したり、パートナーとの時間を充実させるためにお金を使ったり、旅行や自己投資、将来への貯蓄も計画的に進められたりします。
美容やファッションにかける費用も気にせず、罪悪感なく楽しめますし、共働きなら二人でライフスタイルを自由に設計できます。経済的な余裕は心の余裕にもつながり、自分らしい人生を歩むための選択肢を広げてくれるでしょう。
キャリアに集中できる
仕事に打ち込みたい、夢を追いかけたい。そんな思いを持つ女性にとって、子どもを持たない選択は自分の可能性を最大限に生かせる道の一つです。
急なお迎えや学校行事を気にせず、残業や出張も柔軟に対応できます。スキルアップのための資格取得や勉強にも時間を割けるため、起業や転職といった大きな挑戦も自由に決断できるでしょう。自分の能力を存分に発揮し、やりがいのある仕事人生を歩んでいける。それも素敵な人生の形です。
自由なライフスタイルを維持できる

子どもを持たないと選択することで、自分たちのペースで人生を楽しめます。週末は思い立ったら旅行に出かけたり、夜遅くまで映画を見たり、友人との時間を大切にしたり。子どもの生活リズムに合わせる必要がないため、自分の好きな時間に好きなことができるのです。
パートナーとの時間も、二人だけの特別な時間として深く味わえます。自分らしい暮らし方を貫けることは、人生の大きな喜びの一つです。
「やっぱり子どもがほしかった」と後悔しないために

子どもを持たない人生にも素敵な面がたくさんある一方で「やっぱり子どもが欲しかった」と感じる人もいます。あなたがどちらの道を選ぶとしても後悔のない決断のために、大切なポイントを一緒に考えてみましょう。
1. 年齢的なタイムリミットを意識する
女性には出産に適した年齢があります。医学的には35歳を過ぎると妊娠・出産のリスクが上がり、40代になるとさらに難しくなるもの。「いつでも産めるから」と先延ばしにしていると、いざ「子どもが欲しい」と思ったときに選択肢が狭まってしまうことも。
年齢だけがすべてではありませんが、自分の体のことを知っておくことは大切です。迷っているなら、パートナーや医師と相談し、自分にとってのタイムリミットを把握しておきましょう。
2. 自分の価値観をしっかり理解しておく
子どもを持つかどうかの判断は、最終的には自分の価値観によるものです。人生で何を大切にしたいのか、どんな未来を描いているのか、静かに自分の心と向き合ってみてください。
キャリアを積み重ねていきたいのか、家族との時間を何より大切にしたいのか、自由な時間を満喫したいのか。答えに正解はありません。周りの意見に流されることなく、自分が本当に望む人生を歩んでいくことが、一番大切なことなのです。
3. パートナーと話し合う

妊娠・出産、そして育児は、パートナーの協力なくては成り立たないものです。子どもは「二人の子ども」だからこそ、お互いがどう考えているのかをしっかり話し合っておくことが大切です。
「実は子どもが欲しくなかった」「絶対に子どもが欲しい」気持ちのすれ違いが後からわかると、関係に大きな亀裂が生まれてしまうことも。表面的な会話ではなく、なぜそう思うのか、将来をどう描いているのかまで深く語り合うことが重要です。
4. 周囲の意見に振り回されない
「結婚したら子どもを産むのが当たり前」「子どもがいないと老後が心配」など、周りからの何気ない一言に心が揺れてしまうことはありませんか?周りの人の価値観は、必ずしもあなたの価値観と同じではありません。
善意のアドバイスであっても、最終的に責任を取るのはあなた自身です。周囲の期待や常識に合わせるのではなく、自分とパートナーが納得できるよう選択することが何より大切。他人の意見は参考程度に留めて、自分の心の声を信じてくださいね。
結婚や人生に「正解」はない。自分の心やパートナーとしっかり話し合って。

子どもを産む人生も、産まない人生も、どちらも素晴らしいものです。大切なのは、周りの声に惑わされることなく、あなた自身が心から納得できるよう選択すること。迷いながらも、自分の気持ちとパートナーの想いに向き合い続けたその時間は、決して無駄ではありません。
人生に「正解」なんてないのだから、自分を信じて歩んでいってくださいね。あなたの人生の主人公は、他の誰でもない、あなた自身なのですから。