「結婚しても子供はいらない……」という人は意外と多い?
結婚して子供を産むのが当たり前というのは、今となっては昔の考え方になりましたよね。それでもなんとなく「いつかは結婚して子供を産もうかな」と考えている人が今でも多数派だというイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、2021年の出生動向基本調査においては、結婚を希望している18歳から34歳の未婚者のうち「子供は欲しくない」と答えている人が、男女ともに1割を超えています。18歳から34歳の「結婚したくない」あるいは「子供は欲しくない」と考えている人をあわせた割合は約3割、Z世代においては約5割ともいわれています。
子供をいらないと考えている人はもはや少数派ではなく、結婚と子供の存在がイコールでなくなっていると考えられるでしょう。「結婚しても子供はいらない」と考えている人は、世の中が持っているイメージ以上に多いのです。
今回の記事では、子供が欲しくないと思っている人が結婚するときに気をつけるべきことや、「子供はいらない」と考える心理について紹介します。
「子供はいらない派」の人必見!結婚前の注意点
もしも結婚する場合には、子供を持つか持たないかは自分だけでなく、夫婦の問題となります。結婚前には、子供に関することについて確認しておくほうが安心です。ここからは、「子供はいらない」と思っている人が結婚前に注意しておきたいポイントについて、紹介します。
子供は欲しくないという意向を相手に伝える
自分が子供を欲しくないということを、結婚前に相手に伝えておくようにしましょう。結婚してからは価値観の違いに悩む場面があるものですが、子供については大きな問題の一つです。お互いの意思を知らなかったために、結婚後に夫婦間のトラブルになることも考えられます。
なかには「結婚したら子供を持つ」という価値観を当たり前と思っている人も存在するので、特に子供がいらないと思っている人は事前に伝えておくほうが良いでしょう。
パートナーとの価値観をすり合わせる
子供がいるかいらないかについて、パートナーと意見が食い違う場合もあるかもしれません。その場合は、結婚前にすり合わせが必要です。
「子供を持つか持たないか」の二択のように思われるかもしれませんが、実際にあなたが「子供はいらない」と考えている裏にはさまざまな理由があるはずです。パートナーが「子供が欲しい」と思うことにも同じように理由があります。お互いが抱えている感情や心理を理解すれば、二人が納得する結論を導きだせる可能性が上がります。
結婚後に「子供が欲しい」となる可能性も視野に入れておく
結婚前には「子供はいらない」と思っていても、結婚した後に「子供が欲しい」と気持ちが変わることも多々あります。子供のことに限らず、人間の感情や価値観は状況や時間の流れによって移り変わっていくものです。
特に「欲しくなれば、いつでも子供を産める」と考えがちな若いときには子供が欲しくないと思っていたが、年齢が上がってきて「子供を持てなくなるかもしれない」と感じたときに子供が欲しくなるのも、女性によく見られる心理です。あまり自分の気持ちを決めつけず、価値観は変わる可能性があるということを把握しておくことも大切です。
老後の介護など、自分たちだけで準備しなければならない
子供がいれば老後に頼れるというわけではありませんが、夫婦で子供を作らないと決めた場合には、老後のことをすべて自分たちで背負わなければならないでしょう。二人の老後をどのように過ごすかについても、パートナーと話しあっておきたいですね。
二人の老後のビジョンが見えていれば、必要な貯蓄額や準備しておくべきことがはっきりするはずです。
周囲の理解を得られないことも……
パートナーと「子供はいらない」という考えが一致しても、周囲から理解してもらえない場合も多く存在します。特に親世代では、自分たちが結婚したときの価値観をそのまま持っていることもあるでしょう。孫を楽しみにしている場合もあるかもしれません。親や親戚からのプレッシャーは、結婚後の大きな負担となる可能性があります。
また「子供を持つのが当たり前」と思っている同世代からマウントをとられたり、「子供ができないのでは?」と勘繰られたりして、嫌な思いをしたという事例も少なくありません。周囲からの無理解によって、つらい思いをすることも考えられます。
子供は欲しくないと考える理由
「子供が欲しくない」というと、自分勝手に捉えられることもありますよね。そのため「子供はいらない」という気持ちを声に出して伝えにくい人もいるでしょう。実際には「子供が欲しくない」思いの裏はそれほどシンプルなものではなく、人それぞれに理由が存在します。
単純に子供が苦手
「子供が苦手だから自分では持ちたくない」と思っている場合もあるでしょう。皆が子供をかわいいと感じるわけではありません。誰にでも心地よく感じるものもあれば、苦手なものもありますよね。
しかし、世の中では「子供はかわいいもの」「愛すべきもの」とする圧力があります。「子供が苦手」「子供が嫌い」と誰にも言えなかったり、そう思う自分を責めてしまったりして、苦しんでいる人や生きづらさを感じている人も珍しくありません。
仕事に大きなやりがいを感じている
子供はいらないと考えている人のなかには、仕事にやりがいを感じている人も多く存在します。子供を持つことで仕事をセーブしなければならなくなることを心配しているためです。
また夢中になるものがあると、他のことへの興味というのは薄れがちですよね。仕事に誇りを持って楽しんでいるときには、子供に興味を向けにくいこともあるでしょう。
経済的な余裕がない
経済的な余裕がないことで、子供はいらないという結論に至ることが考えられます。子育てには、金銭的な負担がつきものです。中学・高校・大学と上がっていく学費は、特に若い人にはとんでもない金額に感じられるのではないでしょうか。
今の生活に余裕がなければ、さらに出費が増える「子供を持つ」という選択肢は考えにくいはずです。
自分の子供を愛せる自信がない
「子供を愛せる自信がないから欲しくない」と考える人もいます。特に、もともと子供が好きでなかったり、幼少期に虐待を受けていたりする場合に、よく見られる心理です。
いざ子供を産んだら「自分の子供はかわいい」と思える可能性も十分にありますが、愛せる確証を持てなければ本人の気持ちとしては不安ですよね。「子供を傷つけないためにも生まない」という選択をする人も存在します。
「正しい子育てをしなければ」と重荷に感じている
子育てにプレッシャーを感じていることが、「子供が欲しくない」という気持ちにつながっていることも考えられます。現代では、良くも悪くも子育てに関する情報が溢れていますよね。「放っておいても子供は育つ」と気楽に考えるのが、難しい状況ではないでしょうか。
過剰な情報によって、「正しい子育てをしなければ」と重荷に感じている可能性があります。その自信がなくて、子供はいらないという判断に至るかもしれません。
子供が生きていく日本の将来に不安がある
子供を取り巻く将来の環境が信頼できないために、子供は欲しくないと考える人もいます。現代社会には、課題や不安要素も数多くあります。
自分の子供につらい思いをさせたくないと考えるのは、自然な感情です。子供を守り切れるかわからないという思いが、子供を持つ気持ちにストップをかけていることもあるでしょう。
「子供はいらない」という考えの本質を捉えることが大切!
「子供はいらない」という思いの裏には、さまざまな心理が存在します。自分やパートナー、あるいは他の家族や友だちが子供を欲しくないと考えている場合にも、それぞれに繊細で複雑な思いがあるでしょう。子供がいらないという気持ちは、自分の本心からくるものや、不安や社会的な問題に起因するケースも存在します。
子供を欲しいと思うか欲しくないと思うかは、それぞれの自由です。子供を欲しくないと思うことは、まったく悪いことではなく、誰かから責められるべきことでもありません。自分にとって幸せで充実した人生を送るための選択をすることが大切です。そのためにも、表面的な気持ちだけで判断せずに、「子供が欲しくない」という思いのなかにある本質を見つめるようにしましょう。