「何をしても心が満たされない…」満たされない原因と抜け出す方法

Edit by Ryo

何をしても心が満たされない…

何をしても、心が満たされない。おいしいものを食べに行っても、おしゃれな服を買っても、満足感や幸福感がどこか欠けているように感じる。

もっと心から楽しめたら、もっと満足できたらいいのに。でも、どんなに楽しそうなことをしても、どこか空虚な感覚が残る。

心が満たされないとき、どうしたらいいのだろう。できるならば抜け出したい、もっと心から楽しく感じる日々を過ごしていたいのに。なんとかしようとしても、結局どこか物足りない感じがする。

心が寂しいのは、なぜ…?

何をしても心がどこか寂しく感じるのはなぜでしょうか。

多くの方は「精神的な疲れ」や「ストレス」と考えるでしょう。しかし、中には心が満たされない状態が長く続いている方もいるのではないでしょうか。

もしそうであるなら、疲れやストレスといった一時的なものではなく、複雑で根深い原因が隠れているのかもしれません。

だからこそ気を紛らわしたり贅沢してみたりしても、なかなか心の空虚感を拭えないと感じてしまうでしょう。心が満たされない本当の原因を、自分と向き合いながら丁寧に見つけていく必要があります。

心が満たされない主な原因

まずは、心が満たされないと感じる主な原因について紹介していきます。

先ほど説明した通り、心が満たされない原因は「表層的ですぐに解決可能なもの」ばかりではありません。中には過去の経験が深く関わっているものもあります。

ご自身の状態やこれまでの出来事を丁寧に振り返りながら、心が満たされない要因について考えてみましょう。

愛情不足を感じている

心が満たされない原因のひとつとして、愛情不足が挙げられます。

愛情不足を感じていると、寂しさや不安、自己肯定感の低下などにつながります。その結果、「心が満たされない」と感じてしまう。

愛情不足の原因は、幼少期の経験や現在の環境など、さまざまな要因が複雑に絡んでいます。ふとした瞬間に寂しさや孤独を感じる、どこか焦燥感や不安を感じる……。そのような方は、過去の経験を振り返ってみると本当の原因が見つかるかもしれませんね。

不安が多い・漠然とした不安がある

不安が多い・漠然とした不安がある状態も、心が満たされない要因のひとつと言われています。

将来の不確実性や仕事での失敗、人間関係など、不安を感じやすいタイミングは日常の中でもたくさん。そのため、どんよりとした気分が続いたり、頭痛や食欲不振につながってしまう方も多いでしょう。

実は気づかないうちに、さまざまなことが不安になっている可能性があります。ここ最近の出来事や考え事を振り返ってみたら、思わぬストレスに気づけるかもしれません。

思い通りにならない出来事が多い

思い通りにならない出来事が続くと、心が満たされないと感じる可能性が高くなります。

「なんだかついてないな」と感じることが立て続けに起こったり、つらい出来事が重なったり。人生はうまくいかないものですよね。

コントロールできない時間が続くと、無気力さや自己否定感を抱きやすくなります。ずるずると続くネガティブな気分こそが「心が満たされない状態」の正体かもしれません。

つらい出来事が重なっている

心が満たされない原因のひとつとして、つらい出来事が重なっていることも挙げられます。

大切な人やペットとの別れ、仕事でのミス。そのようなことが連続して起こると、メンタル的にも大きなダメージとなるでしょう。

つらいと感じるときには、ネガティブな出来事にいつも以上に敏感に反応してしまいがちです。悲しみや怒り、不安などのネガティブ感情や大きなストレスから「心が満たされない」と感じるように。

「なんでこんなつらい目に合わなければならないんだ」と考えるような出来事ばかりだと、ポジティブな気持ちもすり減ってしまいますよね。

心が満たされづらい人の特徴

次に、心が満たされないと感じやすい人の特徴についてもご紹介します。

心が満たされないと感じやすい人には、実はいくつかの共通点があります。まずはそのような特徴について考えてみましょう。

解説するいくつかの特徴の中には、あなたにも当てはまっているものがあるはず。ですが、すぐにそのような性格や行動を今すぐ変えることは難しいかもしれません。

それでも、自分の特徴を知っておくことで、「心が満たされないと感じやすくなる行動」に気づけるようになります。自分の傾向を掴むことは、前向きな変化を起こす上で重要な1歩となるでしょう。

周囲の人や友人と比較してしまう

心が満たされない人の特徴として、周りの人と自分を比較してしまうことが挙げられます。

自分の価値を感じる手っ取り早い方法として、人は本能的に周囲の人々と自分を比べてしまいます。しかしその分、逆に自分が劣っていると感じている部分にばかり目がいってしまうもの。

その結果、自己評価やポジティブな気持ちが低下し、「心が満たされない」と感じるようになってしまいます。

 

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負けず嫌いな性格

負けず嫌いな性格も、心が満たされないと感じやすい人の特徴です。

負けず嫌いな人は、常に他人と競争し、勝ちたいと思う傾向があります。そのため、勝てなかったときには悔しさや劣等感がわき起こり、心が満たされないと感じやすくなります。

また、負けず嫌いな人は、常に自分自身に高い基準を設けて、自分を追い詰めてしまうこともあるでしょう。しかしその分、自分の理想に到達することも難しくなります。

頑張っているのに目標が達成できない状態が続くと、自己肯定感が低下し、無気力感を抱く可能性が高くなります。

ネガティブ思考になりやすい

ネガティブ思考になりやすい人も、心が満たされないと感じる傾向があるでしょう。

ネガティブ思考の人は、物事を悪い方向に考えてしまい、失敗や挫折を恐れる傾向があります。そのため、挑戦や目標達成を通じて得られる充実感もより希薄に。

またネガティブ思考の人は、自分のことを厳しく評価しがちです。そのため自分自身を否定したり、他人と比べて劣等感を覚えたりすることで、心が満たされないと感じやすくなります。

お金や高価なものを好む

お金や高価なものを好むことも、心が満たされない人の特徴です。

お金や高価なものを所有すると、一時的に満たされた感覚になるでしょう。しかしそのような満足感は長続きせず、むしろ自分より高価なものを持つ人に対し劣等感を抱くきっかけになります。

本当の意味で自分のことを満たしてくれるのは、お金で買えるものではないかもしれません。

他人に頼ることが苦手

他人に頼ることが苦手な人は、心が満たされないと感じやすいでしょう。

安心感のある信頼関係を築く上で、他人に頼ることは必要不可欠。

「助けてくれる人がいる」という感覚は、誰かに実際に助けてもらう経験によって芽生えます。逆に言えば、誰かに頼れずにいると安心感が得られず、孤独感を抱いてしまう可能性が高まります。

誰にも頼れずに心が満たされないと感じているのは、慢性的な孤独感の表れでしょう。

孤独や不満から目を背けないで…

ここまでお伝えしてきた通り、心が満たされないという心理状態に共通しているのは「孤独」や「不満」です。

人は誰しも、生きている間に孤独や不満を経験することもあるでしょう。しかし孤独や不満を感じる時間があまりにも長かったり、無視し続けたりすることで、心に大きなダメージを残してしまいます。

その結果としてあらわれるのが、心にずっと残る空虚感。

心に空いた穴を埋めるためには、本当に自分が求めているものは何かを考える必要があります。あなたがすべきなのは、孤独や不満を我慢するのではなく、自分を本当に満たしてくれるものを探すことです。

満たされない気持ちから抜け出す方法

ここからは、満たされない気持ちから抜け出す方法について解説していきます。

心が満たされないときは、ちょっとした気晴らしや贅沢だけでは心を埋められないことも多いでしょう。本当に自身に必要なものは何かを考えた上で、さまざまな方法を試す必要があります。

そのため、ただ満たされない気持ちへの対処法だけを紹介するのではなく、なぜ必要なのか、どのように心を満たしてくれるのかまでわかりやすく紹介します。

SNSから離れる時間を作る

心が満たされない状態から抜け出す方法のひとつとして、SNSから離れる時間を作ることがあります。

SNSは、他人の生活や成功が目に入ってきてしまう場所。そのため自然に自分と比較してしまい、満たされない気持ちに陥りやすくなります。

SNSは日常的に使うものだからこそ、気づかないうちに精神的な負担になっているかもしれません。意識してSNSから離れる時間を設けて、自分自身と向き合ったり、大切な人と過ごしたりするのがおすすめです。

趣味に没頭する時間を作る

趣味に没頭する時間を作ることも、心が満たされない状態に対して効果的。趣味に没頭することで、満たされない気持ちを忘れ、精神的な充足感を得ることができます。

それだけでなく、成長による自己肯定感の向上・新たな発見による好奇心、趣味でつながる新たな人間関係など、さまざまな恩恵を受けられます。

資格取得や読書など自己スキルを上げる

心が満たされない状態から抜け出す方法として、資格取得や読書など自己スキルを上げることもおすすめです。

自分のスキルを高めることは、自信や充実感につながります。仕事につながらなくても、できることが増えていくのは嬉しいですし、自信になりますよね。

まずは自分の目標や興味に合わせて、自己スキルを高める方法を見つけてみましょう。

無いものより有るものに目を向ける

無いものより有るものに目を向けることで、心が満たされない気持ちから抜け出す可能性が高くなります。

心が満たされないときは、どうしても「足りないもの」に意識が向きがちです。

視野が狭くなってしまうと、自分の周りにある「ありがたいこと」「幸せ」に気づけなくなってしまうかもしれません。なにかを求めなくても、実はあなたを満たしてくれるものが近くにあるかも。

日記をつけてみたり、普段接している人に改めてお礼を伝えてみたりすることで気づけるようになるはずです。

自分を苦しめる物や人から離れる・断捨離をする

自分を苦しめる物や人から距離を取ったり、思い切って断舎離したりするのも大切です。

自分を苦しめる物や人と一緒にいると、気づかないうちに心が満たされない状態になってしまいます。

自分の価値観や生き方に反していたり、自分を否定してきたり。そのような物や人がいないか、改めて考えてみましょう。

また断捨離をしてみるのも効果的な方法です。不要な物や思いを手放すことで、心に余裕が生まれ、新しい物事に目を向けられるようになります。

満たされていないときにしてはいけないこと

心が満たされないときにすべきことだけでなく、逆に「してはいけないこと」も存在します。

満たされない気持ちを回避するために、人は無意識のうちにさまざまな行動をとるようにできています。しかし、むしろ逆効果となってしまうものも少なくありません。

そのような行動は、満たされない心を埋めるどころか、かえってストレスを増大させてしまいます。そうならないよう、NGとなる行動や考え方についても理解しておきましょう。

周囲の人と比べ続ける

心が満たされていないときには、周囲の人と比べるのを意識的にやめてみましょう。周囲の人との比較は、自分自身の価値を下げ、満たされない気持ちに拍車をかけます。

周囲と比べるのをやめるには、ありのままの自分を受け入れることが大切です。周囲の人と比べて劣っていると感じたとしても、それはあくまでも主観的な評価です。特定のものさしだけでは、人の価値を測ることはできません。

また、周囲の人との比較を避けるために、SNSやテレビなどの情報に触れる時間を減らすことも効果的です。

つらい恋愛を続ける

つらい恋愛を断ち切ることも、心が満たされていない時には必要です。つらい恋愛は、心身に大きな負担をかけ、満たされない感覚を増大させます。

心が満たされないとき、恋愛によって大きな影響を受けているケースも多いでしょう。その恋愛が自分にとって本当に必要なものなのか、考えてみる必要があります。

自分が満たされない恋愛をしているなら、勇気を出して別れを決断してみるのもおすすめ。つらいことではありますが、長期的には自分のために必要かもしれませんね。

自分にとってマイナスな人間関係を続ける

心が満たされていないときにしてはいけないこととして、自分にとってマイナスな人間関係を続けることも挙げられます。

自分にとってマイナスな人間関係は、大きなストレスの原因となります。ある人間関係においてネガティブな感情を強く感じたら、その相手は自分にとって本当に必要な人なのかを考えてみましょう。

もし自分にとってマイナスな人間関係ならば、勇気を出して距離を置くか、関係を断つことを考えましょう。

自暴自棄になって体の関係を持つ

心が満たされないからといって自暴自棄になり、むやみに体の関係を持つことはやめておきましょう。

心が満たされないと感じるとき、人は自分の価値や幸せを「お金」や「物」「他者」など外部から求めがちです。しかし、外的な満足感は一時的なものであり、内面の問題を解決することは難しいでしょう。

さまざまな人と体の関係を持つことは、性感染症や妊娠などのリスクも高めるだけでなく、さらなる空虚感につながる場合も。心を満たすどころか、むしろ負のスパイラルに陥りやすくなります。

信頼できる人に相談したり、自分を大切にする時間を作ったりして、精神的に自分を満たしてあげることが大切です。

小さな幸せを見つめて生きること

心が満たされないうちは、なかなか自分の周りに転がっている幸せを見つけられません。なぜこんなにつらいのか、どうしたらいいのか、そんな考えで頭がいっぱいになってしまうでしょう。

それでもきちんと自分と向き合って、本当に求めているものがわかったとき、だんだんと小さな幸せにも気づけるようになります。

ないものばかりを求めてしまう限り、つらい感情は続いてしまうでしょう。でも、今あるものや周りにある幸せに気づけるようになれば、より満たされた生き方ができるようになるでしょう。

少しずつ、小さな幸せを見つけてみてください。気づかないうちに、心から幸せを感じているはずです。

 

Ryo

Writer

心理学部卒。金融系の正社員ライターとして勤務しながら、メンタルヘルスやライフスタイルといったジャンルでも執筆。珈琲は自分で淹れる派。