子供が言うことを聞かない…疲れた…
「自分の子供は可愛いよ」何度も言われたし、何度も思っているけれど、言うことを聞かない日々が続くとこちらにも限界はある。あれも嫌、これも嫌、ダメと言ったことばかりする、言うことを聞かないとき、怒ればいいのか放っておけばいいのかもわからない。言うことを聞かない子供に疲れた私は、ダメですか?
普段大人と接していると、子供の直感的や思うがままに行動することに対して、振り回されているのを感じますよね。そういう時期だ、今だけだとわかっていても、なんだか疲れてしまって嫌になることも…。ここでは、子供が言うことを聞かない理由や、対策をご紹介します。
子供が親の言うことを聞かない理由は?
ある程度の年齢になると、大人と同じく会話したり対話したりできるようになります。しかし幼少期には、大人の言うことを聞かないタイミングが多く、親が疲弊することが多いでしょう。ここでは、年齢別に子供が親の言うことを聞かない理由を解説します。
1歳~2歳頃|母親からの分離、イヤイヤ期
まだ会話とはいえないまでも、相槌が上手だったり少しずつ話せるようになってきたりと、自分の意思を人に伝え始める年齢です。魔の2歳児といわれる言葉があるほど、言うことを聞かずイヤイヤを繰り返す年齢でもある1歳半頃〜2歳。
子供ながら自分でできる、やってみたい気持ちが芽生え、されるままだった状態から自立しようとする時期。危険などを考えることはなく、思うがまま一直線に、やりたい!行きたい!したい!の感情が優先です。
3歳~4歳頃|イヤイヤ期の延長
少しずつ大人の言っていることを理解できるようになり、会話も上手になってくる年齢ですよね。感情を表現できるようになり、自分のやりたいことなど自我も強くなってきます。
自我の芽生えで「自分でやり始める」「自分で決めたい」という子供の感情と、まだ危ないからと親からの声や指示などの狭間にいる状況。イヤイヤ期の延長で「自分でできるのに!」と親の言うこととは違うことをする子が多いでしょう。
5歳~6歳頃|自立心が強くなる
小学生を目前にすると「一人でできる」ことが増えてきます。自我もかなりしっかりと確立し、自立心が育ち、自分のことは自分でできるから、と親の言うことを聞かなくなるタイミングがさらに増えてくるでしょう。
自分でできることが増えることで、子供が「自分で選ぶことの楽しさ」や「周りとの差」を感じやすくなるため、親の言うことよりも自分の意見を通そうとすることが多くなります。
「もう疲れた…」やってはいけない対処法とは
理屈でわかっていても、ついつい子供の行動一つひとつが目につき声を上げたくなることはありますよね。どんなに疲れていても、どんなに子供が言うこと聞かない状態でも、やってはいけない対処法がいくつかあります。ここでは、疲れたとしてもやってはいけない対処法をご紹介します。
感情的に怒鳴る
頭ではわかっていても、言うことを聞かないことが続くと感情的になって「なんでわからないの!」「いい加減にして!」など、声を上げたくなってしまいますよね。
しかし、感情的に怒るのは、子供と接する上でやってはいけないことの一つです。感情的に怒る・声を荒げると、それだけ怒っていることは伝わりますが「なぜ怒っているのか」が伝わらず、子供は混乱してしまいます。また、親であっても怖いと感じる対象になってしまい、自分の感情や行動を制限することにつながります。
何度も繰り返し怒る
何度も何度も繰り返し怒りたくなることは、親ならばよくあることでしょう。しかし、何度も怒るのは逆効果。何度も怒ることで「これをやると反応してくれる」という認識や逆に「何度も怒るけど実害はない」ことを示すことになります。
1回で明確に指示し、それが直らない場合は、無言で片付ける・捨てるふりをする、TVの前に立つ・消すなど「一度で聞かないとどうなるのか」を示した方が良いでしょう。
「鬼がくるよ!」と言って怖がらせる
「鬼が来るよ」「パパに言うよ」「ママに怒られるよ」など、どの家庭でも一度は使ったことのあるフレーズです。最初は効果的かもしれませんが、だんだんとそれらは慣れにつながっていきます。
また、逆に恐怖心を植え付けることとなり「鬼が来るから」「鬼が怖いから」など、一人で眠れなくなるなど成長の妨げや親の負担増加にもつながるでしょう。恐怖心を煽ることは、子供の発育にも影響します。
無視・放置する
「何度言っても変わらないから」「何度言っても聞かないから」という理由から、無視や放置をすることもありますよね。しかし、子供にとって無視や放置は「容認」と捉えられてしまいがち。
癇癪や大声を上げることなども無視していると、それらを公共の場や人の多いところでやってもいいものだと考えてしまう子も少なくありません。また、周りの子たちに自分の感情をそのまま行動に移してもしていいものだと認識してしまいます。
YouTubeで黙らせる
近年スマートフォンの普及などで、子供向けのYouTubeが増えてきています。電車内や街中、ご飯を食べているときなど、ついつい「静かにしてくれるなら…」と見せてしまいがちですが、良い面もあれば悪い面も必ずあります。
依存性が高く関連動画などを簡単に見れてしまうことから、偏った知識や考え方に触れてしまうことも少なくありません。また、動画がないとご飯が食べられない、おとなしくできない、通常のTVや映像を楽しめないなど、ネガティブな影響が多くあるため、切り札として使うこと、ルールを決めることが重要です。
頭ごなしに「ダメ!」という
危険なことや、何度も言っていることであればあるほど、何も言わず「ダメ!」「ダメって言ったよね?」など、ついつい頭ごなしに言ってしまいがちです。
頭ごなしにダメと言ってしまうことは、子供の興味関心・好奇心を削ぐ原因にもつながります。「何がダメなのか」「どうしてダメなのか」がわからないままとにかく禁止されてしまう経験が積み重なると、否定された感覚だけが残ってしまいます。子供のしたことには理由がありますが、親がダメということにも理由があります。それらを「やってみたかったこと」自体を否定せず「だけどこういう理由でダメだよ」と共有することが大切です。
他人と比較する
「⚫︎⚫︎ちゃんはもうできたんだって」「ほら、あっちの子はそんなことしてないよ」など、言いたくなりますよね。それらは「本当だ、恥ずかしい」「自分もできるもん!」と向上心を掻き立てる一方で、自分を否定することにもつながります。
親にはそんな意図はありませんが、子供にとっては家や親が世界のすべてです。他人と比較されることで、自分はダメなんだと思い込んだり、今後どんなに頑張っても自分のことは見てくれないんだろうと言った気持ちを育ててしまいます。
言うことを聞かない子供への上手な接し方・叱り方
言うこと聞かない子供への対応は、何年経っても何人子供がいても難しいもの。周りの親に聞いても、意見がさまざまで混乱してしまうこともあるでしょう。ここでは、言うことを聞かない子供への上手な接し方・叱り方をいくつかご紹介します。
親が約束を守り、信頼関係を築く
「ママは今からこうするから、一緒にやろう」「これができたら、こうするよ。こうしようね。」と小さな約束事は日々の中で交わすことが多いでしょう。
これらは大人にとっては些細な約束やその場しのぎのことであっても、子供にとってはとても大きな意味を持っています。少しでも、守ってもらえなかった経験が残ると「でも言うこと聞いても、約束守ってくれないじゃん。」と、子供から大人への不信感へとつながります。
まずは子供のとの小さな約束を守ることから始めましょう。
理由を聞いてから判断する
こちらが怒りたくなるような言動を子供がしたとしても、そこにはなにか理由があるかもしれません。大人から見れば「危ない」「信じられないような行為」であっても、何か考えて起こした行動かもしれないことを念頭に置き、怒る前に一旦「なぜそんなことをしたのか」を聞いて判断しましょう。
お手伝いしようと思って、畳んだ洗濯物を持って行こうとしたり雑巾掛けの真似事をしたりするなど、子供ならではの理由があるかもしれません。
子供の話を聞く
理由に限らず子供の話をよく聞いて、子供の世界を共有しましょう。
保育園でお友達が「ママのお手伝いした」と聞けば「やりたい」「やらなきゃ」と思う子もいます。もしかしたら、子供たちにとっておまじないのような効果のある行動かもしれません。
子供達の話を日頃からよく聞き、どんなことがあったのか、どんなことが流行っているのか、何をしたい・してみたいのかなどを探りましょう。
親の言動には一貫性を持たせる
約束を守るのと同じく、親の行動を一貫させることも大切です。子供にとって親が世界のすべてです。親の行動が一貫しておらず、感情的であったり、昨日今日で言っていることが違ったりすると子供達は混乱します。
なぜ怒るのか、なぜこう言うことを話しているのか伝えると同時に、親の言動が一貫しているかどうかも確認しましょう。
子供をコントロールしようとしない
自分の子供だとしても別の人生です。子供の人生は子供のもので、子供らなりの感じ方や考え方があります。子供をコントロールして思い通りにするのではなく、子供を尊重し、考えやセンスなども認めてあげることが大切です。
思い通りに動けば親の手間が減ると感じますが、その分個性もなく感情や考え方に責任の持てない子供に育ってしまう可能性もあります。ダメなことをダメというのは大切ですが、コントロールや制限をかけるような言動に注意しましょう。
命に危険がある場合などはしっかり叱る
怒鳴ったり怒ったりと、子供を叱ってしまうことに罪悪感を抱く一方で、命の危険がある場合や身体的なトラブルにつながることは、しっかりと叱るメリハリをつけるようにしましょう。
命に関わることや、身体的部分に負担のかかる出来事は、自分はもちろん周りの友人やこれから出会う人たちの人生にも関わってくる可能性があります。危険なことや本当にやってはいけないことは、その危険性や重要性とともにしっかりと叱り、伝えましょう。
耐えられない…怒ってしまいそうなときの対処法
子供の叱り方や怒り方は難しいところです。耐えられない…と感じることもありますよね。怒ってしまいそうなときの対処法はどんなものがあるのでしょうか?ここでは、理不尽に怒ってしまいそうなとき、声を上げてしまいそうなときの対処法をご紹介します。
6秒間心の中でカウントする
人間の感情は、6秒で落ち着くといわれています。カッとなってしまって、声を荒げた後に後悔することも多いでしょう。言うことを聞かないからと、声をあげそうになったときはまず6秒数えてみましょう。
声を荒げたり叱ってしまったりするのではなく、他のアイデアが浮かんでくるかもしれません。声を荒げるのは一瞬ですが、その声で子供の中で一生分のトラウマになってしまうこともあります。子供はまだ自分をコントロールする方法を知りません。相手を変えるのではなく自分を変える意味でも、6秒カウントして落ち着いてから行動しましょう。
その場から離れて、一人になる
気持ちがそわそわして耐えられない場合、言うことを聞かない子供やその場から離れて一人になりましょう。一人になることで物理的にも距離ができ、落ち着いて考えるはずです。
子供の視点から見ても「パパやママはこれをするといなくなっちゃう」といった感覚を持ち、改善するかもしれません。
状況を第三者目線で見直してみる
自分と子供しか視点がないと、自分が正しいと思ってしまいがちです。しかし子供の行動には理由があることがほとんど。興味や関心を持つ範囲もどんどん広がっていくでしょう。
なぜ怒ったのか、なぜ怒りそうになっているのかを、第三者目線で見直して整理することが大切です。
パートナーや周囲の人間に相談する
パートナーや、周囲の人にも「言うこと聞かないときってどうしてる?」「最近言うこと聞かないんだけど、」と相談してみましょう。どの親も通る道ではありますが、子供を思うあまりに自分のことを蔑ろにしてしまいがち。怒ったり注意したりと自分の中でも葛藤があるでしょう。
周りの人に相談することで、自分の見えてなかった側面や「こうすると効果的」といった知見が得られるかもしれません。
子供の成長に寄り添った接し方をしよう
「子供が言うこと聞かないんです。」お悩みのコーナーでよく見るようなこと、私には無関係だと思ってた。言うことを聞かせられないのは親が悪いんじゃないかとも。だけど子供には子供の世界があって理由や主張がある。もしかしたら子供の世界は、私たち大人にはわからない世界なのかも。
子供、と一言で言ってもさまざまな子がいるでしょう。多くの子供はイヤイヤ期や言うことを聞かない期間を経て大人へと成長します。言うことを聞かないとしても子供に寄り添い、本当にダメなときだけしっかり叱るなど、メリハリをつけるのが、相手の気持ちを思いやれるようになるために、必要な過程なのかもしれません。