愛されたい症候群「誰かに愛されたい…」原因や心理、改善方法を解説

Edit by 羽莉花南

誰かに愛されたい…愛されていないと寂しい…

誰かに愛されたい…。恋人からもっと愛してもらいたい…。常に強く愛されていないと寂しくて不安…。

「人から愛されたい」「認めてもらいたい」という気持ちのは、誰でも抱く自然な感情です。しかし、その気持ちが強くなりすぎると、誰かから愛されていないと自分に価値がないと感じるようになってしまいます。

他人からの評価に一喜一憂して振り回されるのはつらく、自分らしい生き方ができません。

今回の記事では、愛されたい症候群について解説します。愛されたい症候群になる人の心理や特徴、続くとどうなるか、そして改善方法についても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

愛されたい症候群とは?

愛されたい症候群とは、誰かに愛されたいという強い気持ちが長い時間続く状態を指します。「症候群」という呼称であっても、病気ではありません。

愛されたい症候群の人は、周囲から自分がどれだけ愛されているかによって自分の価値を図ろうとします。そのために自分に自信が持てなかったり、孤独感を抱きやすかったりするのです。

誰かから愛されたいという思いが強すぎて、結局自分自身が振り回されてしまいます。また、恋人から十分に愛されていても満足できず相手を試してしまうことで、関係がうまくいかなくなりがちです。

「愛されたい症候群」になる人の心理と原因

愛されたい症候群になる人には、共通した特徴が見られます。原因がわかれば、自分の中でも調整しやすくなりますよね。

まずは愛されたい症候群になる人の心理や特徴について当てはまるものがないかどうか、チェックしてみてください。

信頼できる人が少ない

愛されたい症候群になる人には、周囲に信頼できる人が少ない傾向があります。通常は、愛情は誰か一人だけから求めるものではありません。家族・友達・恋人など、さまざまな関係を築く人から少しずつ得ることで満たされるものです。

しかし、周囲との関係が希薄で「周りに認められていない」「誰からも愛されていない」という思い込みがあると、恋人といった特定の相手からの愛情に強い欲求を抱きます。相手が十分な愛情を注いでくれていたとしても、他からの愛情が感じられないため満足できずに、さらに大きな愛情を求めることになるのです。

自分に自信がない

他人から愛情を得られないと不安なのは、自分に自信がないためです。「誰かから愛されたい」「もっと愛されたい」という気持ちが強くなるのは、自分の価値を周囲から与えられる愛情によって図ろうとしているためだと考えられます。

愛されたい症候群になる人は、他人からの愛情によって自分の価値を示そうとする傾向があります。自分自身を認めて、揺るがない自信の軸となるものがあれば、そこまで他人の愛情に依存することにはなりません。

過去、大切な人に裏切られた経験がある

過去のトラウマが原因で、もっと愛されたいという気持ちを止められなくなっている可能性があります。たとえば信じていた恋人に裏切られたり浮気されたりした経験がある場合、自分に自信をなくすと同時に人を信じるのが難しくなります。

自分が信じていた現実が覆された経験があると、誰かが自分に愛情を示してくれても「結局嘘なのでは?」という疑念が湧きます。相手から自分への愛情を疑う不安な気持ちを解消しようとして、相手に必要以上に大きな愛を求めてしまうのです。

愛情を感じられない環境で育った

愛されたい症候群に陥る人には、愛情を感じられない環境で育った人が多いと言われています。子どもの頃には、自分ができないことは親が助けてくれて、無条件で愛を注いでくれますよね。子どものときに「自分は親から愛されている」と感じる経験は、実はとても大切なものです。

必ずしも親がひどいというわけではなく、親が十分な愛情を注いでいても、子ども自身がそれを受け取れていないケースも存在します。自分が当たり前に愛される価値のある人間だという意識が希薄だと、相手は自分のことをどこまで許してくれるのか、何をしても愛してくれるのかと相手の愛情を試したくなるのです。

承認欲求が強い

愛されたい症候群になる人の中には、承認欲求が強すぎるタイプの人もいます。人から自分のことを認めてもらいたいと思う承認欲求は、誰もが持っているものです。しかし強くなりすぎると、他人からの評価が自分の価値を図る基準のすべてとなってしまいます。

承認欲求が強い人には、自慢話が多かったりSNSの投稿にリアクションを求めたりする特徴があります。自分のことを認めてほしいという強い思いが、相手からの愛を過剰に求める愛されたい症候群につながるのです。

愛されたい症候群が続くと、どうなるの?

愛されたい症候群の状態が続くと、どのような問題があるのでしょうか。愛されたい症候群が続くデメリットについても確認しておきましょう。

気持ちが不安定になりやすくなる

愛されたい症候群が続くと、気持ちが不安定になりやすくなります。人からの愛情の度合いによって自分の価値を図ることになり、相手の行動に一喜一憂して振り回されなければなりません。

他人は、自分の思い通りに動いてくれるものではありません。相手から自分の求めるような愛情を感じられず、ネガティブな気持ちになることのほうが多いはずです。

自分が感じる気持ちの変化を他人の言動に依存している状態なので、自分でコントロールできず不安定な状態に陥りやすくなります。

恋人に依存しやすくなる

愛されたい症候群の人は恋人に依存しがちになり、そのことで恋人との関係がうまくいかなくなるケースが多いのです。恋人は、自分のことを愛してくれる存在ですよね。他の人間関係が希薄な愛されたい症候群の人は、「愛されたい」という気持ちが恋人だけに集中します。

結果として、恋人が十分な愛情を注いでくれても満足できません。「もっと愛されたい」という欠乏間から恋人を束縛したり試したりする行動につながり、相手の負担となってしまいます。

他の物事に集中できなくなる

愛されたい症候群に陥っている間は、他の物事に集中できません。人の自分への気持ちを気にしすぎたり恋人に依存しすぎたりする結果、日常生活に支障が出ることがあります。

いつも頭の中が「愛されたい」という思いで占められているため、他へのモチベーションが上がらず、本来自分がするべき役割がおろそかになります。気持ちが不安定な状態なので、物事を進めるときに冷静な判断もしづらい状態です。

自分を変えたい!愛されたい症候群の改善方法6選

愛されたい症候群に陥っているときに、もっとも苦しいのは本人です。好きで愛されたい症候群を続けている人は、きっといませんよね。

最後に、愛されたい症候群を脱却して自分を変えていく方法についてご紹介します。ぜひできそうなところから試してみてください。

愛している気持ちを自分から伝える

愛されたい症候群は、自分から愛を注ぐことを忘れて、相手から愛をもらうことばかりに意識が向いている状態です。一度相手が自分をどれくらい愛してくれているかと考えるのをやめて、自分の愛を相手に伝えることを心がけてみてください。

過去にトラウマがあれば、自分からの相手への愛を認めて伝えるのは怖いと感じますよね。しかし、相手は自分のあわせ鏡。あなたが愛情を示せば相手も示してくれる可能性が高くなります。無理のない範囲で少しずつ伝えていくのがおすすめです。

そして自分から愛を伝えるのは、相手からの愛を感じるのと同じくらい満たされるものです。まずは誰かに愛を伝えるときの満足感を体験しましょう。

恋愛そのものを楽しむ

愛されたい症候群に陥っているときは、きっと恋愛が苦しく楽しめていませんよね。しかし、本来恋愛は幸せで楽しいものです。相手からの愛情を気にするのではなく、恋愛そのものを楽しむようにしてみてください。

好きな人と一緒においしいものを食べたり、おもしろいものを見て笑ったり…一瞬一瞬がかけがえのない時間です。相手の気持ちばかりを気にしていると、大切な瞬間を見逃してしまいます。

一つひとつの時間を大切にしていれば、自然とあなたの気持ちも満たされていくでしょう。

笑顔でいることを心がける

いろいろと難しいことを考えず、ただただ笑顔でいるだけでも高価があります。「不安な気持ちでいっぱいなときに笑えない」と思うかもしれません。しかし、実は先に笑顔を作ることでポジティブな気持ちが後からついてくるものです。

そしてあなたが笑顔でいれば、一緒にいる相手もうれしい気持ちになります。相手の居心地が良くなればあなたのことをもっと好きになり、一緒に過ごすときの雰囲気も良くなるでしょう。

笑顔でいることで気持ちが明るくなり、さらに状況も好転していきます。

新しいコミュニティーに参加してみる

愛されたい症候群を脱却するには、積極的に新しい人間関係を築くのがおすすめです。恋人や特定の友達ばかりと過ごしていると、愛情を求める気持ちが少人数の相手に集中してしまいます。

新しいコミュニティーへの参加で人間関係が広がれば、新しい世界が見えて視野も広がります。愛されたい症候群に陥っているときは、視野が狭くなっていることが多いものです。

広く世界を見ることで、小さなことで悩まなくて済むようになります。

自分のいいところを褒める

自分のいいところは、自分で認めて褒めてあげましょう。他人から見えるあなたは、あなたが持つ一部分にすぎません。他人から認められることばかりに意識が向いていると、自分の本質的な部分が見えなくなってしまいます。

あなたのことをもっともよく知っているのは、他の誰でもなくあなたです。自分に自信が持てれば、人からの評価はそれほど気にならなくなります。そして、余裕ができれば相手のいいところにも気づきやすくなるものです。

自分だけの息抜きを見つけてみる

自分だけの時間を確保することも大切です。愛されたい症候群に陥っているときは「1人で過ごすのが寂しい」と感じて、常に恋人と一緒にいようとするケースがよくあります。

しかし、恋人に依存することで愛されたい症候群は加速してしまいます。相手のことを信頼して孤独感を抱いていなければ、自分1人で過ごす時間は寂しいものではありません。

自分1人で過ごす時間は、あなたがあなたのためだけに行動できる時間です。ぜひ、自分を大切にしてリフレッシュする時間を意識するようにしてください。

まずは自分を愛して、愛される女性になろう!

愛されたい症候群に陥っているときは、人からの愛情を求めることばかりに意識が集中して、自分のことを愛してあげられていない状態です。まずは、あなた自身があなたのことを大切にしてあげてください。

他人からの愛に依存すると、自分で自分のことを振り回してしまいます。自分らしく生きられなくて苦しいうえに、相手にとっても負担になるものです。

あなた自身が自分への愛で満たされて自信を持つことで、人から愛されたいと願う強すぎる思いは自然と解消されていきます。自分軸で生きるあなたは輝いて、相手にとっても魅力的に映るでしょう。

自分を愛することで、人からも愛してもらえるようになるのです。自分から、自分も人も愛して、相手からも愛される素敵な女性を目指しましょう。

羽莉花南

Writer

はとりかな|キャバ嬢、アジア女性研究機関勤務、さまざまな国の男性との交際経験を活かして恋愛を中心に女性のお悩みに寄り添う記事を執筆中。アメリカ→フランス→ベトナムと海外生活11年目。外国人夫、愛犬1匹、愛猫2匹と暮らしています。