承認欲求を満たしたい…
つかない「いいね」、伸びないフォロワー、送られてこないDMやリプ…。毎日投稿しても、おしゃれなものを載せても誰も見てくれないのはどうして?くだらないことを呟いているあの人はなんであんなに評価されているの?何をすればこのスマホの中の数字は伸びるんだろう…。誰かに認めて欲しいのはいけないこと?
SNSが当たり前になった現代で、承認欲求についての解釈は話題になっていますよね。承認欲求が満たされると自分を認めてもらえた感覚が強くなり、さらにその感覚を求めてしまうようになることから、あまり良い意味で使われない傾向にあります。しかし、承認欲求は本当に良くないものなのでしょうか?
ここでは、承認欲求が強いことのメリット・デメリット、承認欲求の満たし方などを解説します。
承認欲求とは?
ニュースはもちろん、SNS上でさえ「承認欲求」という言葉が取り沙汰されています。承認欲求といっても実は種類があり、それぞれの特徴があります。ここでは承認欲求がどんなもので、どんな種類があるのかご紹介します。
他人から認められたい
他人から認められたいという欲は、誰にでもあるでしょう。「よくできたと言って欲しい」「さすがだねと褒められたい」など「他の人からの評価を得たい」のは承認欲求の一つです。他人から認められなくても、本来自分がしっかりと頑張ったことや良いと思ったものに自信を持てれば良いのですが、基準が他人になってしまい、誰かから評価されないと満たされない状態になります。
一般的に、承認欲求はこの意味で使われることが多いでしょう。
自分のことを価値ある存在だと認めたい
他人からの評価が気になり、他人から評価されないと自分のことを認めてあげられない人は、自己肯定感が低い傾向にあります。承認欲求を満たすことで「誰かにとって私は必要な存在・価値のある存在である」ということをしっかりと確認したいという気持ちが強いでしょう。
自分の価値を他人軸で決めているため、承認欲求が満たされない状態が続いてしまうと、自己肯定感を下げる原因になります。
承認欲求が強い人の特徴
承認欲求は誰もが持っている欲ですが、その中でも強い人と弱い人がいます。承認欲求が強い人は行動や性格、人への態度に出やすいと言われています。
では、承認欲求が強い人にはどのような特徴があるのでしょうか?
プライドが高い
承認欲求が高い人は、プライドが高い人が多い傾向にあります。「自分は特別」「自分が一番すごい」という意識を持っている人が多く、基本的に自分はなんでもできると思っている人が多いです。
「あの人ができているなら自分でもできる」「あんな感じなら自分にもできる」といった意識が高く、なんでも自分本位で進めようとする傾向にあります。プライドが高いのは悪いことではありませんが、承認欲求も重なると「なんでこの凄さがわからないの?」と独りよがりになってしまい、周囲が気を使うことになります。
自慢話が多い
プライドが高いことと同じく、自慢話が多いことも承認欲求が強い人の特徴の一つです。自慢話が多い人は自分を大きく見せる・自分が特別といった振る舞いをするなど、自己主張も強い傾向があります。
誰かにすごいと思われたい、自分が特別だと知らしめたいというのも承認欲求の一つです。誰かに褒めて欲しい・すごいと認めてほしいため、自慢話が多くなります。
他人を下げて自分を上げたがる
自分をよく見せるために、他人を下げて自分をよく見せようとする人もいますよね。これも承認欲求が強い人の特徴の一つです。
あの人より優れている・あの人よりも自分の方がすごいなど、誰も比較をしていないのに自分で勝手に比較し、他人を下げる行為と自分を上げる行為を同時に行います。性格が悪く見えたり、いつも人の愚痴を言っているように見えたりと、承認欲求によって人間関係に亀裂が入ることも少なくありません。
周りから認められないとモチベーションが上がらない
何かをするときに、自分が少しでも昨日から成長できていたり、前回のミスをしないようになっていたりすれば、自分で自分のことを認めてあげられます。しかし自分自身を認めてあげるだけでは満たされない人は、周りからの評価で自分のモチベーションを維持しています。こういった人は、周りから「ミスがなくなったね」「いい感じに進められてすごい」など、周りが自分を見てくれていることで満たされます。
周囲からの声でしかやる気やモチベーションが上がらない人は、承認欲求が強いと言えるでしょう。
人からのお願いごとを断れない
人からのお願いを断れない人は、気が弱く承認欲求とは縁遠く見えますが、実は承認欲求が強い人の特徴の一つです。
誰かに何かをお願いされることで、「頼りにされている」「自分はここにいていいんだ」などと再確認する傾向があります。人からお願いされることで自分の存在価値や、認められたいという承認欲求を満たしています。
ネガティブ思考
ネガティブ思考な人も承認欲求が強い傾向にあります。他者から拒否されたくないという意識も強く、「私なんて」という言葉に対して「そんなことないよ」「あなたは必要な人だよ」と言われたいと無意識に考えている人も少なくありません。
また「ネガティブな思考であっても認められたい」といった欲求を持っている人も増えています。
承認欲求の強さは幼少期に原因がある?
承認欲求が強い人は、どのような原因やきっかけで表に出てくるようになったのでしょうか。承認欲求はSNSが普及してから大きく取り上げられましたが、実は昔からあるものです。承認欲求が強くなる要因について解説します。
幼少期は親がたくさん褒めてくれた
幼少期、周りの大人や親がたくさん褒めて伸ばしてくれたという人も少なくないでしょう。現代ではスタンダードな子育てとも言われているほど、褒めて伸ばすのは重要な育児方法の一つです。
しかし周りからたくさん褒められて育つことで「ほめられない」「ありがとうやよくできたねと言われない」経験が少ないケースも。「ここまでやったのになんで褒めてくれないの?」「なんでありがとうとかすごいって言ってくれないの?」と、褒められないことに対して不満を持つようになり、承認欲求へとつながります。
歳を重ねるごとに褒められる機会が減った
幼少期、多くの大人に褒めてもらって育ったのは子どもだったからです。大人になると、一つひとつの行動が褒められることは少なくなります。
年を重ねるごとに褒められる機会や「すごい」と称賛されることは減っていきますよね。今まで褒めてくれた人がいる環境から褒められることが減ると「前はあんなに褒めてもらえたのに」といった気持ちを持つことも多く、強い承認欲求へとつながるでしょう。
承認欲求があること自体は悪いことじゃない
ここまで承認欲求についてや承認欲求が強いことについて解説しましたが、承認欲求自体は悪いわけではありません。承認欲求が強いことで自己のスキルアップや、自分の人生の指針を変えるようなタイミングなどにも出会えることがあるでしょう。
承認欲求は上手に使うと、仕事への原動力やモチベーションにもなり、思った以上の成果を生み出すこともできます。認められたい気持ちと、誰かが認めてくれなくても自分のことを認めてあげられる気持ちをしっかりと分離して考えられるかどうかが重要なポイントです。
承認欲求が強いことによるメリット
SNSの影響もあり、承認欲求が強いことは悪いと思われがちですが、実はメリットも数多くあります。ここでは承認欲求のメリットをいくつかご紹介します。知っておくことで、今後承認欲求を上手に満たす方法も見つかりやすいでしょう。
自己肯定感が高まりやすい
承認欲求が満たされると、自己肯定感が高まり自信を持ちやすくなります。自己評価や他者評価を自信へと変えて、自己肯定感が高まると、目の前の取り組んでいることだけではなく「こういうことをやってみたい」「こうしたらいいのかも」など、前向きな言動も生まれやすくなるでしょう。
承認欲求が強いからこそ、認められたときには自分のことをしっかりと褒めてあげられ、自分の能力への自信を持てるのはメリットです。
認められたい気持ちがある分、何事も全力で取り組める
承認欲求は認められたい気持ち・すごいと称賛されたい気持ちなど、誰かに「必要だと思われる」ことに重きを置いています。そのため認められたい気持ちが仕事や物事にも反映されやすく、何事にも全力で取り組み結果を出します。
仕事であれば代替案をいくつか出したり、より良い資料を作成したりと、本来80%でも良いところでも120%を目指せるでしょう。
モチベーションが高い
承認欲求が高い人は、基本的に誰かに認められたいため常にモチベーションが高く、努力する傾向にあります。それらは仕事に対してだけでなく、私生活においてもダイエット・ファッションセンス・金銭の管理など、誰に見られてもいい状態を保っています。
中には、金銭管理などの方法をSNSにアップして認められることで、さらに高いモチベーションを保っているという人も少なくありません。承認欲求が弱い人に比べると、自己管理などもしっかりしている人が多い傾向にあります。
仕事などで成果を出しやすい
モチベーションが高く、何事も全力で取り組めるというのもメリットのため、仕事でも結果を出しやすい傾向にあるのも承認欲求が強い人ならではのメリットです。仕事に限らずダイエットやメイク、SNS上でのやり取りなども得意とする人が多いでしょう。
結果を出すと評価され、モチベーションが高まり、承認欲求の良い連鎖がつながっていくことになります。
周りに自分の存在をアピールできる
何も言葉を発さずにいれば、誰にも気づかれずに日々を過ごすことも少なくないでしょう。クラスや会社などの大きな組織の中では、特に自己主張や自分らしいアイデアの出し方などを求められることが少なくありません。
承認欲求が強いと、人とのコミュニケーションや結果など、あらゆることに貪欲になります。そのため人の印象にも残りやすく、さまざまなシーンで思い出してもらえるだけの存在になり得ます。
承認欲求が強いことによるデメリット
メリットが数多くある一方で、もちろんデメリットもいくつかあります。SNSやニュースなどで問題になっている通り、デメリットが目立っているのが現状です。承認欲求は満たし方を間違えると、人生の中でも大きな失敗につながってしまう可能性があります。
周りに認められないと頑張れない
承認欲求は誰かに認めて欲しいと思う欲求です。周囲からの評価が自信や肯定感につながるため、その評価がない・実感できない状況では頑張ることができません。
「やっても褒めてくれないし」「こんなに頑張ってわかりやすいのに、誰も評価してくれないじゃん」と、周りから評価をされないことにフォーカスが当たるため、認めてもらえたことを体感できない場合はモチベーションにつながらないのです。
自分のことばかりを話してしまう
承認欲求が強い人は、自分のアピールが得意な傾向にありますが、その分自分のことばかり話してしまいコミュニケーションがうまくいかないこともあります。話を遮って自分の体験や経験を話したり、自分の意見を押し付けるような言い方になったりと、人に不快感や不信感を与える原因にもつながります。
自分の話をしている際に、求めていない反応が返ってくることにストレスを感じやすいのもデメリットの一つです。
自分だけが凄いと思い込んでしまう
承認欲求が強い人は「自分が特別でありたい」という気持ちが強い傾向にあります。そのため、他人を下げて自分を上げるような言動を無意識に行なってしまう場合があります。
社会はさまざまな人で成り立っていて、目の前の仕事も、自分が作業をする前に何かアクションを起こしてくれた人がいるから成り立っています。しかし承認欲求が強いと「確かにそうだけど、この処理をしてるのは自分なのに」と自分がやったことにしかフォーカスできません。周りへの感謝もなくなってしまう可能性があり、注意が必要です。
主張が強すぎて周りから一歩引かれる
自分の存在感を出せるのは良いことでもある一方で、自分の主張が強すぎることで周りからの意見を受け入れられず周りから引かれてしまうことがあります。
会社だけに限らずさまざまなシーンにおいて自己主張は大切ですが、自分の主張ばかりではなく同様に相手にも主張や考え・経験があることを知っておきましょう。
うまくいかないことがあると自己嫌悪に陥る
自分に自信を持てる反面それらがうまくいかないことも、もちろんあるでしょう。思ったよりも成績が良くない、思ったよりも購買数や認知度が上がらない…。それらは自分のせいだけではありませんが、承認欲求が強い人は、完璧主義のような傾向も持ち合わせていることが多いため、うまくいかないと自己嫌悪に陥り、気持ちの浮き沈みが激しくなります。
気持ちの浮き沈みは誰にでもありますが、毎回そのような気持ちの上下があると周りは疲弊し、やがてコミュニケーションを取ることすらも面倒に感じさせてしまいます。
承認欲求が強い人必見!満たされる方法を伝授
承認欲求によるメリットデメリットがわかったところで、「じゃあ承認欲求をうまく満たすには?」と、悩む人も多いでしょう。SNSが普及している現代ではSNSで満たすことにフォーカスされがちですが、SNSのない時代から、満たされる方法は存在します。承認欲求を満たす方法は、どのようなものがあるのでしょうか。
人とコミュニケーションをとる
人とのコミュニケーションを積極的に取るようにしましょう。多くの人とコミュニケーションを取ることで自分の中の承認欲求に気づいたり、既に気づいている場合は「そういう考えがあるんだ」とさまざまな考えに触れたりと、改善していくきっかけにもなります。
また多くの人とコミュニケーションを取ることで、自分を認めてくれる人や評価してくれる人も増えていくでしょう。
物事の結果だけではなく過程を大事にする
物事には結果だけでなく、その結果に行き着くための過程があります。過程も大切なものですが、つい結果にばかりフォーカスしてしまいがちです。
しかし、結果がいくら良くても過程で仲間内の揉め事が絶えなかったり、仲間内での雰囲気がかなり悪いなどの状態であれば、本当の成功とは言えないでしょう。物事の過程にも大事なことがあり、自分や周りの人も頑張ったと認めていきましょう。
結果がうまくいったときはきちんと褒める
過程を大事にしつつも、結果がうまくいったときはその分しっかりと認めることも重要です。結果のために奔走し、努力した過程はもちろん大事で素晴らしいことです。しかし結果を蔑ろにしたり、結果よりも過程が大事であると決めつけたりすることではありません。
きちんと認め、きちんと褒めることが大切です。「結果よりも過程が大事」といった言葉や雰囲気では、達成感なども感じにくく承認欲求が満たされないままでしょう。
自分磨きをする
承認欲求の矛先を自分自身に向けてみると、承認欲求は満たされやすい傾向にあります。ダイエット・美容・勉強など自分磨きをすることで結果が出たときに、達成感を得て「自分はすごい!」と認めてあげられるようになります。
自分磨きは、努力した分が自分に返ってきます。良い結果も良くない結果も自分だけのものです。承認欲求を人ではなく自分を軸にするのも方法の一つです。
いろんなコミュニティへ参加してみる
周りにあるコミュニティだけでなく、さまざまなコミュニティに参加してみましょう。価値観が変わることもあれば、そこでは皆があなたのことを評価し、その評価を言葉にしてくれるかもしれません。
自分が今いる場所や今の付き合いのある人たちだけでなく、新たなコミュニティで役割を持ってみるのも承認欲求を満たす方法の一つです。
自分のことだけでなく周囲の人のことも認める
承認欲求は自分にばかり目が行きがちですが、周りの人も同様にある程度の承認欲求はあります。自分のことだけでなく「相手も認めてもらえたらうれしいのでは」「尊重してもらえたらうれしいのかも」と考える癖をつけましょう。
周囲を認めてあげられることで、認めてあげた自分のことを認められるようになります。承認欲求を自分で上手に満たせるでしょう。
考えすぎない
承認欲求が強い人は考え過ぎていることで、気持ちが強く出てしまっている可能性があります。考えすぎることで「こうでなければ」「こうしなくちゃ」など、考えも凝り固まってしまいがちです。
考え過ぎずに、自分の基準を設けるようにしましょう。「ここまでは考えるけど、この先はなるようにしかならない」と割り切ってみることも、承認欲求とうまく付き合っていくには必要です。
今いる自分のことを認める
今の自分を認めること、自分が今できていることや立場を認めることから始めましょう。承認欲求が強い人は、向上心も強い傾向があり、上を見てしまいがちです。
モチベーションを保つことには有効ですが、今の自分を蔑ろにしてしまい悩んでしまうことも。まずは今の自分が努力したこと、やってきたことを認めましょう。
承認欲求を満たして、自分らしい幸せを探しに行こう
承認欲求が強いことは決して悪いことばかりではなく、満たし方や付き合い方を知っていれば自分にとってプラスに働いてくれることも多いでしょう。仕事へのモチベーションや自分のアピールポイントがわかリやすいなど、社会の中で大事にするべきメリットも数多くあります。
その一方で承認欲求が強く出過ぎてしまうとデメリットにもなり、周りからの評価が変わってしまうようなことにもなりかねません。現代社会では、SNSの普及から承認欲求は悪い方向に出てしまうことも少なくありません。
自分の承認欲求とうまく付き合いつつ、自分にとっての幸せやボーダーラインを見つけましょう。