自分の気持ちがわからない…自分の考えや感情とうまく向き合う方法

Edit by Ryo

感情が動かない、自分の気持ちがわからない…

感情が動かない、自分の気持ちがわからないと感じることは、現代社会を生きる多くの人が経験する悩みです。仕事やプライベートでのストレス、疲労、喪失感などが原因となり、自分の感情と上手く向き合えなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

自分の気持ちがわからなくなると感情が麻痺したように感じられ、何をしても楽しめない、悲しみや喜びを感じられないという状態に陥ってしまいます。しかしこれは決して珍しいことではなく、誰にでも起こり得る心の状態なのです。

大切なのは、この状況を自分の弱さと捉えるのではなく、心からのSOSサインとして受け止め、自分自身と向き合うことです。

自分の気持ちがわからないのはなぜ…?

自分の気持ちがわからないのは、さまざまな要因が複雑に絡み合っている可能性があります。もしくは、自分ではそこまで気にかけていないつもりでも、実はずっと自分の心に負担をかけていたものがあるのかもしれません。

まずは、「なぜ自分の気持ちがわからない」と感じてしまうのか理由を探ってみましょう。原因が見えてくれば、どんな対処をすべきかがよりはっきりしてくるはずです。

ストレスや疲労が溜まっている

長期的なストレスは感情を麻痺させ、自分の気持ちがわからないと感じやすくなります。

日々の生活の中で、仕事や人間関係、家事などで常に気を張っていると、知らず知らずのうちにストレスが蓄積されているのではないでしょうか。他人の期待に応えようと自分の感情を抑え込み、気を使いすぎてしまう傾向がある人ほど疲労が溜まりやすいものです。

疲労感が溜まると、ネガティブな感情だけでなくポジティブな気持ちも感じづらくなってしまいます。「自分の気持ちがわからない」という状態は、身体からのSOSかもしれません。

悲しい出来事などで一時的に喪失感がある

大切な人との別れや親しい人の死など、悲しみを伴う出来事を経験すると、一時的に喪失感に見舞われることがあります。悲しみの感情が強すぎると他の感情が感じられなくなってしまい、結果的に「自分の気持ちがわからない」という状態につながります。

これは自然な反応であり、時間とともに徐々に回復していくケースがほとんどです。しかし、その過程で感情が動かない状態が続くと、自分の気持ちがわからないと感じるかもしれません。

一時的な喪失感とはいえ、精神的ダメージは大きいでしょう。ポジティブな気持ちに戻りたいと感じるかもしれませんが、そう簡単に元気にはなれませんよね。落ち込んでいると、さらにつらい気持ちになってしまうことでしょう。

「〜したい」ではなく、「~べき」という考え方にとらわれている

自分の気持ちがわからない人の中には、「〜べき」という考え方が強いのではないでしょうか。

「〜べき」という考え方に支配されると、自分の本当の気持ちを見失いがちです。周囲の期待や社会的な規範に合わせようと、気づかないうちに自分の感情を無視してしまいます。

「〜したい」という自分の欲求や感情に耳を傾けることは、自分自身を理解し、受け入れるために重要なプロセスです。「〜べき」にとらわれてしまえば、自分の欲求や感情は後回しにしてしまいがちに。次第に自分が何を求めているのか、わからなくなってしまうでしょう。

「〜べき」という思考は、あなた自信の不安の表れでもあります。何に対して不安やおそれを抱いているのか、時間をかけて振り返ってみれば、本当の原因が見えてくるはずです。

自分の考えや感情とうまく向き合う方法

自分の気持ちがわからなくなったとき、感情と向き合うことは簡単ではありません。しかし、自分自身と向き合い、感情を受け入れることは、心の健康を取り戻すために不可欠なプロセスです。

ここからは、自分の考えや感情とうまく向き合うための具体的な方法をいくつかご紹介します。日常生活でも取り入れやすいものを4つご紹介するので、ひとつずつ実践してみましょう。

ノートやメモに思うまま書き出す

自分の感情を言葉にすることは、心の中で抑制されている感情を整理するのに役立ちます。ノートやメモに、今の気持ちや考えを自由に書き出してみましょう。

文章になっていなくても、単語や短いフレーズでも構いません。書くことで、自分の感情を客観的に見つめ直すことができます。自分の気持ちがわからない人でも、書き出すうちに「こんなこと考えていたんだ」と自分でも驚いてしまうものを見つけられるかもしれません。

また文字に書き出すことで頭の中がすっきりとし、新しい気持ちで前に進めるようになるでしょう。

自分の心がホッとする場所・状態で過ごす

自分の気持ちがわからないときは、自分の心が落ち着く場所や状態で過ごしてみましょう。たとえば、自然に囲まれた場所で深呼吸をしたり、五感を研ぎ澄ませて周囲の環境を感じたりすることは、心を穏やかにし、自分自身と向き合うのに適しています。

また、好きな音楽を聴いたりリラックスできる趣味に没頭したりすることも、心をホッとさせ、感情と向き合う準備を整えてくれます。自分の気持ちがわからないときは、ストレスとなるものからなるべく離れて、自分を労る時間を作ることが大切です。

信頼している人と話す

自分の気持ちがわからないときは、信頼できる人に打ち明けてみるのもおすすめです。家族や親しい友人、カウンセラーなど、自分の感情を正直に話せる相手を見つけましょう。

誰かに話すことで自分の感情を言葉にでき、心が整います。また、相手の客観的な意見や助言は、新しい視点を与えてくれるでしょう。

誰かに共感してもらうのは、精神的に大きな救いになるはずです。暖かい共感によって、自分でも気づかないうちに大きなダメージを負っていたことにようやく自覚できた、というケースも少なくありません。

ひとりで抱え込まず、信頼できる人と感情を共有することが、心の回復への第一歩となります。

原因となっている出来事から距離をとる

自分の気持ちがわからないと感じる原因となった出来事から、一時的に距離を置くことも大切です。仕事のストレスや失恋の悲しみなど、感情を揺さぶる出来事から少し離れることで、自分自身と向き合う時間を作れるでしょう。

休暇を取って旅行に出かけたり、日常とは異なる環境で過ごしたりすることは、新鮮な気持ちで自分と向き合うきっかけになります。また、原因となった出来事を客観的に見つめ直すことで、問題の本質を理解し、解決への糸口を見つられるはずです。

一時的にストレス源から離れてみるのは、心の回復と成長のための大切なステップです。

気持ちや感情が戻るのに時間がかかる場合も

自分の気持ちがわからなくなった状態から回復するには、時間がかかるものです。特に恋愛での別れや大切な人との死別などショッキングな出来事の後は、感情の回復にはゆっくりと時間をかける必要があります。

また、仕事の忙しさや日々の雑務に追われ、自分自身と向き合う時間が取れないこともあるでしょう。このような状況では、無理に感情を取り戻そうとするのではなく、自分のペースで少しずつ回復していくことが大切です。

焦らず自分の心に耳を傾け、ゆっくりと感情と向き合っていきましょう。慌てなくても、時間が解決してくれるはずです。

思い詰めず、ゆっくりと回復していこう

自分の気持ちがわからなくなることは、決して恥ずかしいことではありません。現代社会を生きる多くの人が経験する、ごく自然な反応なのです。

大切なのは、自分を責めたり焦ったりたりしないこと。今は感情が動かなくても、それは一時的な状態であり、必ず回復する時が来ます。自分のペースで、ゆっくりと感情と向き合い、心の健康を取り戻していきましょう。

あなたも、今は自分の気持ちがわからない状態かもしれません。しかし、この記事で紹介した方法を参考に、自分なりの方法で感情と向き合ってみてください。一人で抱え込まず、周りの人にも頼ることも大切です。焦ることなく、ゆっくりと自分を休ませあげてくださいね。

Ryo

Writer

心理学部卒。金融系の正社員ライターとして勤務しながら、メンタルヘルスやライフスタイルといったジャンルでも執筆。珈琲は自分で淹れる派。