幸せとは?幸せって何?
「幸せとは、なんだっけ?」とふと思うことはありませんか。科学的な幸せの定義や、セロトニンという幸せホルモンがあって…などと細かな説明があることはわかっているけれど、そうではない「自分にとっての幸せ」って、なんだろうと。
SNSが発達した現代では、お金・地位・名誉・容姿、何を誰にどのくらいしてもらえるか、尽くしてもらえるかばかりが話題になり、幸せの定義となりつつあります。しかし、本当にそれだけが幸せなのでしょうか。忙しい日々の中で「幸せになりたい」と願っているけれど、自分にとっての幸せが何かわからないのも本音ですよね。
恋愛・結婚・子供・地位・名誉・お金…、目に見えるものばかりが幸せとされるけれどそうじゃないと思うのは自分だけなの?「自分にとっての幸せ」どうやって見つければいい?
本記事が、そんなモヤモヤが少しでも晴れるきっかけになれば幸いです。
共通認識できる「幸せ」の形
「幸せ」とは、どのようなものでしょう。「幸せ」と一言で言っても、さまざまな形や感覚があります。しかし、近年ではSNSの発達により「幸せ」が定義されてしまい、その型にはまっていない自分に劣等感を感じてしまう瞬間も少なくありません。
幸せとは本来、個人個人で感じ方が違うものだったはずなのに、世の中が幸せと定義しているものばかりを求めてしまう。SNSなどを通してあらゆる人が分かりやすく認識できる「幸せ」の形はどのようなものなのでしょうか。
1.容姿の美しさ
幸せとはなにか、の答えにあたる形として「綺麗な髪」「二重」「顔の小ささ」「足の細さ」など、わかりやすく「容姿」が評価されることの多い時代。特にSNSでの発信ができるようになったことで、美醜へのハードルが上がっていると感じる人も多いかもしれません。
美しさ=幸せと定義され、コンプレックスを感じる人も増えています。しかし例え容姿が良くても、悩みが何もない人はほとんどいないでしょう。幸せであると決めつけられてしまうことで「悩みを話せない」という人も多くいます。
2.経済力・お金
経済力やお金は幸せの形としてわかりやすいものの一つです。SNSで買い物した様子を載せ、ハイブランドのものを持っている写真を見ると幸せの象徴のように感じてしまいがち。
「●●歳で年収いくらはちょっと…」「たった数万円で生活するなんて…!」と、非難する声もSNSでは多く見かけます。お金は生活していくためにもちろん大切ですが、お金の有無に関わらず、幸せを感じる瞬間は多くあるはずです。
3.恋人
恋人の存在は、自分を認めてくれる大切なものです。共に時間を過ごし、お互いといると本来の自分でいられるのであれば、それで十分なはず。しかし、SNS時代の現代では「恋人にどんなことをしてもらったのか」「恋人のスペック」などを幸せの定義とされがちです。
ちょっといいランチや、なんでもない日のプレゼント、サプライズで何かしてもらったこと…。特別なことばかりが重要視されつつありますが、日々を一緒に過ごし、ちょっとした感謝を伝えられることも十分に幸せな要素でしょう。
4.結婚
幸せの象徴であるとされる結婚も、全員にとっての幸せの定義とされがちです。周りが結婚・出産していると、まだ結婚していない自分を惨めに感じることもあるでしょう。また、SNSでは、「結婚できない人は〜」「●●歳なのに結婚していないなんて」といったように、結婚しているかいないかで幸せが決まるかのような発信も見受けられます。
しかし、結婚が幸せを決めるとは限りませんし、結婚は強制されるものでも義務でもありません。仕事や趣味、自分のために時間を使うことを楽しむのも幸せの重要な要素です。
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5.多趣味・時間の余裕
お金や時間を趣味に費やし、時間的余裕がある人は幸せそうに見えます。自分の好きなことややってみたいことに挑戦できていることもSNSでは幸せの定義とされています。もちろん多趣味で時間の余裕があるのは、とても素晴らしいことです。好奇心や向上心にもつながるでしょう。
しかし、多趣味でなくとも、自分のペースでただ何気ない日常を過ごせることも、幸せの一つではないでしょうか。
幸せって、どうやったら感じられるの?
誰もが共通認識できる「幸せ」の形は、SNSなどが発達したことでわかりやすいものとなりました。しかし本来、幸せとは共通認識にあるような5つの事柄だけではなく、日常生活の中でいくらでも感じることができます。自分なりの幸せとは、どのように感じることができるのでしょうか。
中には「最近幸せを感じづらい……」という人もいるかもしれませんね。自分にとっての幸せはどんなことなのか、書き出して考え直してみることから始めましょう。SNSにある「幸せの定義」ではなく「自分なりの幸せとは何か」を軸にします。幸せを形成する要素を見つけて理解し、自分に合った幸せのハードルを見つけることが重要です。
幸せを形成する6つの要素
自分なりの幸せとは、ささいなことが積み重なって出来上がるものです。土台がなければ幸せの積み重ねはできませんが、日常的な経験・体験によって土台作りができて、幸せを感じる準備ができます。
とはいえ「自分なりの幸せなんてわからないけど…」と思う人もいるでしょう。そんな場合は、幸せを形成する6つの要素から見直してみましょう。「たしかに自分はこういうとき、幸せを感じるかも」と当てはまるものが見つかるかもしれません。
1.心身の健康
何をするにも、心身の健康がなければ成り立ちません。仕事も家庭も趣味も、まず健康であって初めて成り立ちます。
しかし、もちろん年齢を重ねることでうまく健康管理ができない場合や流行の感染症など、思いもよらないところでダメージを受けることもあるでしょう。体調不良や、気分の浮き沈みは誰にでもありますが、自分で気づき、対応できることも心身の健康においては重要。自分で管理ができ、健康であることだけでも十分幸せなのです。
2.人間関係
幸せではない時には気づきにくいですが、人間関係は幸せを感じる要素の中でも重要ですよね。人間関係は幸せの大きな軸でもあります。どのような場面でも、気の合わない人や相性が悪い人ももちろんいるのが人間関係の難しさ。しかし見方を変えれば「小言は多いけどおかげでミスが減った」など、結果的に良好な人間関係を築ける可能性もあります。
幸せな人間関係を築くために、友人知人の幸せな出来事・良い報告などにも幸せを祈り、喜んでみましょう。最初は大げさであっても、本当に幸せに感じる瞬間が出てくるでしょう。
3.時間
時間を自分の自由に使えるのはとても幸せなことです。仕事であれば、時間が決まっているので効率の良さを求められます。仕事や家庭ばかりに時間を取られ、自分の時間を持ちたいと考える人もいるかもしれません。
しかし自分軸で使える時間は何をしても良いのです。朝何時まで寝ていても、何時間好きなアニメやドラマを観ても良いという自由さがあります。1日は24時間と限られていますが、自分の好きなように時間を使うことは幸せな要素の一つです。
4.環境
今の環境は自分で選んだものかもしれないし、違うかもしれません。SNS上の投稿や周りの人たちと比べてしまうと、「もっとお金持ちだったら」「もっといいところに就職できていたら」と考えてしまうこともありますよね。
しかしその環境の中で学ぶことや得られるものがあれば、それも幸せの一つです。また、その環境下でも日々が送れていることは、確実に「幸せなのかも」と考えてみましょう。向上心があるのは良いことですが、現状をしっかり見極めることも幸せを噛み締めるために重要なのです。
5.興味関心
多趣味であることや多くのことに興味関心をもつことで幸せを感じる人もいます。新しいことを知るのは何歳であっても発見が多く、面白いものです。また、さまざまなことに関心があること、趣味が多いことは、人生を楽しむことにもつながります。
自分がやってみたいこと、実はまだ挑戦できていなかったことがある人は、積極的に手を出してみましょう。やってみたいことが無い人は、少しでもおもしろそうと思ったものに触れてみるだけでも、幸せを感じることができるでしょう。
6.貢献
貢献とは、自分が何かを提供することで、一人に負担がかかりすぎないよう「一緒に荷物を持つ」こと。何か興味があることがあれば、その事柄について詳しく知ることから始めて、実際に参加してみましょう。貢献することで満たされ、幸せを感じるでしょう。ボランティアや寄付といった社会貢献だけでなく、組織やチームへの貢献ももちろん幸せを感じる要素になります。
社会貢献はハードルが高いなと感じる人は、家族への貢献でも良いでしょう。
- 家事を率先してやってみる
- 兄弟と悩みなどを相談し合う
なども、家族に対する貢献です。
「自分にとって、何が幸せか?」を知るところから始めよう
目に見える幸せは世の中にたくさんあります。しかしまずは、自分にとっての幸せが何かを考えてみましょう。
- 仕事をして誰かに喜んでもらえたこと
- 褒められたささいな出来事
- 運良く入れた閉店間際のカフェ
- パートナーと過ごす何気ない時間
それらは、はっきりと目に見えてわかるものではありませんが、幸せな気分にしてくれる要素の一つかもしれません。
目に見えるものや形があるものに捉われず、「自分にとっての幸せ」はどんなときに感じるのか、ついつい「幸せだな」と言ってしまう日はどんな日なのか、考えてみましょう。そうすることで自分にとっての幸せの基準やルールが見えてきます。自分にとっての幸せとは何かを探すために、今一度自分と向き合う時間を作ってみると良いでしょう。
自分らしい人生の幸せを見つける5つの方法
SNSに踊らされる幸せではなく、見つけたいのは自分なりの幸せの形と基準。とはいえ、見つける方法がわからない。「自分らしい幸せとは」と考えても、パッと思いつくのは難しいかもしれません。
SNSなど他者によって定義された幸せではなく、自分らしい人生の幸せとは何かを考える5つの方法をご紹介します。やりやすい方法で、自分の幸せとは何かを探ってみましょう。
1.楽しい・嬉しいと感じることを書き出す
まずは楽しい・嬉しいと感じることを、紙でもスマホのメモ機能でもいいので書き出してみましょう。イベントや買い物などの大きなものから、アイスの当たり棒が当たったときなどの小さなものまでさまざまでしょう。
楽しいことや嬉しいことは日々ささいなことでも思いつく一方で、「幸せ」と言われると当てはまらないような気がしてしまいますよね。しかしそれらのささいなことも幸せな要素です。小さな幸せがわかれば、積み重ねていけるでしょう。
2.悲しい・苦しい・やりたくないことを書き出す
楽しいことや楽しいことを書き出したら、悲しいこと・苦しいこと・やりたくないこと・されたら嫌なことなども紙やスマホのメモ機能に同じく書き出しましょう。これらは、できる限り避けて生活するだけで、先ほど書き出した楽しいことや嬉しいことにより「幸せ」を感じやすくなります。
「悲しいことや苦しいことはできるだけ体験したくない!」というのは真理です。なるべく自分の心地よい環境を作ることを意識して、自分の心に従って過ごしてみましょう。
3.自分の人生の優先順位を決める
あれもこれも、と欲張るのはとても素敵なこと。欲張るためにも優先順位をつけて過ごしてみると、自分らしい人生の幸せを感じることができるでしょう。
推しがいるのなら推し活が、趣味や身につけたいことがあれば習い事が優先されます。それらを優先してスケジュールを立て、お金の管理をします。自分が幸せでいられる順位付けをすることで、後々に後悔や「私は何をしてるんだろう…」と自己嫌悪に陥ることも少ないでしょう。
4.自分を不幸にする人間関係を捨てる
人間関係は幸せを形成する6つの要素にも含まれ、幸せを左右するものです。毎日仕事や学校でさまざまな人と接するうちに、疲弊する人も少なくありません。なるべく自分を不幸にする人・嫌な気分にする人・ストレスを与えてくる人は避けて過ごすのが良いです。
また、自分を大事にしてくれない人・してくれなかった人への気持ちも捨てられるように思考を変えていきましょう。「幸せ」と対極にある人間関係は、自分の人生に必要ないものです。
5.自己肯定感を下げる恋愛・人間関係を手放す
「自分には何もない」「どうして自分はこうなんだろう」と考える人の中には、恋人との関係で悩む人も少なくありません。相手のことを好きであっても、自分を大事にしてくれない恋愛はつらいもの。自分の気持ちをいちばんに考え、お互いにお互いのことを思いやれる恋愛をすることで気持ちは満たされるでしょう。
相手のことも大事にすべきですが、自分が幸せであることは大前提です。自己肯定感を下げる恋愛・人間関係は手放して、自分自身が感じる幸せを優先してみてくださいね。
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お金があれば─、綺麗になれば─、幸せになるとは限らない
お金や容姿、地位や名誉などわかりやすく形のあるものが幸せの定義とされがちです。もちろんそれらも幸せと呼べますが、それだけが全てではないはず。
- 美味しいご飯を好きな人と食べる
- おまけのチョコが当たる
- いつもより早く帰れる
- 最後のケーキが買える
- 日向ぼっこしながらうたた寝をする
…など、日常のささいなことも幸せに感じる瞬間はたくさんあります。
幸せとは何かを考える上で、もちろんお金やステータスは大事なことですが、「多くのお金があっても友人と話すたわいもない話に勝るものはない」と感じる人もいるでしょう。自分にとっての幸せの基準やボーダーラインは、誰かに決められるものでも世間の声を聞き入れて構成されるものでもないはずです。
他人に流されず、自分だけの「幸せの定義」を見つけよう
SNSなどが発達した現代社会では、「幸せとは」というと目に見えるものや写真に残せて他者に自慢できるものにフォーカスされがちです。もちろんそれらも幸せの一つではありますが、それだけではありません。
「幸せ」と感じる基準や感覚は人それぞれで、そこに優劣や善悪はなく、等しく幸せな人生です。幸せとは誰かに決められるものではなく、それぞれの感覚と気持ちで決めるもの。他人からの評価が全てではありません。
自分なりの「幸せ」の定義を見つけてみましょう。自分にとっての幸せな瞬間や状態はどんなものでしょうか。自分なりの幸せを見つけて、幸せとはなにか心に留めておくことで、いつもの日々がさらに素晴らしく感じられるでしょう。