「自分に自信が持てない…」
自信がないのは、つらいことです。自信がないからこそすぐ不安になってしまったり、自分にはできないと考えてしまったり、そんな自分を責めてしまったり……。
自信がないせいで思ったことも伝えられず、自分が我慢することも多い。だからこそ、自信に満ちていて、いつもポジティブに考えている人のことがうらやましいと感じることも多いのではないでしょうか。
でも「自信を持て」と言われても、簡単なことではないですよね。急にポジティブ思考ができたらこんなに苦しくないし、そもそも自信を持てるほど価値ある自分じゃない。
それでも、本当はもっと自信を持って自分らしくありたい方も多いでしょう。
今回は、自信がない人の特徴や習慣、自信を手にするためにどのようなことをすべきかについてご紹介します。
自分に自信がない人の特徴
まずは、自信がない人の特徴について考えてみましょう。
一口に「自信がない」といっても、さまざまな場面で自信のなさが顔を出すはず。次の特徴に当てはまる場合は、自信がないことのあらわれかもしれません。
自信を持つことができたら、これから紹介するようなつらさから抜け出すことができるでしょう。
自己肯定感が低い
自信がない人は、自己肯定感が低いことが多いです。
自己肯定感とは、無条件に自分のことを価値ある存在として評価することです。自信がない人は自分のことを価値があると考えることができず、自己肯定感が低くなりがち。
その結果、自分の能力を低く見積もったり、反射的にネガティブな思考をしたりすることも多いでしょう。「自分なんて……」と考えてしまうのも、自己肯定感が低く自信がないことのあらわれかもしれません。
合わせて読みたい:「自己肯定感が低い…自分を愛せない…」自己肯定感が低いのはなぜ?
失敗を恐れる
自信がない人は、過度に失敗を恐れてしまうようになります。新しい挑戦の機会があっても、自信がない分「挑戦を乗り越え成功するイメージ」を思い浮かべることが難しくなってしまいます。
頑張れば乗り越えられるかもしれない出来事があっても、自信がないためすぐに「自分にはできない」「失敗したらどうしよう」と考えて尻込みしてしまうことも多いのではないでしょうか。その結果、変化や成功のチャンスが巡ってきても、自信がないせいでそのチャンスを無駄にしてしまうこともあるかもしれません。
もったいないかもしれない、でも成功するわけがない……そのような不安感は、自信がないからこそといえます。
自己主張することが苦手
自信がない人は、自分の意見や思いをはっきりと伝えるのが苦手であることも多いです。自信がない分、他者からどう思われるのかが気になり、自分で自分の意見に蓋をしてしまうことも。
自然と湧き上がってくる感情や思考に対し、自信がないせいで「でも……」と否定し続けてしまうと、だんだん自分の本音すら分からなくなってしまいます。きちんと自分の意見を持ち、伝えるべきときは伝えることが大事だと頭では分かっていても、自信がないとなかなかできないですよね。
周囲からの評価が気になってしまう
周囲からの評価を過剰に気にしてしまうのも、自信がない証拠。
自信がない分、自分自身に対する確信や評価を保つことが難しくなってしまいます。したがって、「自分が価値ある存在なのか」の判断をする上で、他者からの評価に依存してしまいます。その結果、周囲の目を常に気にして行動するようになってしまうことも。
他人からの評価を気にせずに自分らしくあるためにも、自信が必要になるでしょう。
自分をアピールしたり表現することが苦手
自信がない分、自分のことをアピールしたり表現したりすることに対して不安や緊張を抱きがち。
自信がないことで、自分のことをうまく伝えられるかに対して不安になるだけでなく、周囲からどう思われるのか怖くなることもあるでしょう。さらには、自信がないあまり「自分の意見や思いを伝えるほど自分には価値がない」とさえ思ってしまうことも。
自己開示をすることで、他人とのコミュニケーションも深まっていくものです。それでも自信がないことで、なかなかうまく他人と打ち解けることができない方もいるでしょう。
褒められると否定してしまう
自信がない分、たとえ誰かから褒められても「そんなことはない」と否定することもあるでしょう。
人には、自分が信じているものや予想している情報に反するものを受け入れにくいという「確証バイアス」が備わっています。そのため自信がない人は、他人から称賛されても「自分には価値がない」という自分の考えに反するため、素直に受け取ることが難しくなってしまいます。
褒められたときに、謙遜しつつ受け取ることは日本人の文化として幅広く受け入れられていますが、本気で否定してしまうときは自信がないことのあらわれかもしれませんね。
自分に自信がある人の特徴
次に、自信がある人はどんな特徴を持っているかについて解説していきます。
自信がない人からすれば、どれもうらやましい特徴ばかりかもしれません。 自分と違って生きやすく、 つらい場面でもポジティブに乗り越えることができそうだと感じる方もいらっしゃるでしょう。
自信がないとしても、少しずつ自信を手にしていくことで、さまざまな変化が生まれていくはず。自信がある人はなぜ力強く感じるのか、詳しくご紹介していきます。
自己評価が高い
自信がある人は、自分に対する評価が高い傾向にあります。自信がない人よりも自分の能力や知識に対して高く評価しているため、その結果自信の高さにつながるのです。
自信を持つ上では「自分自身を肯定的に捉えること」は重要な要素のひとつ。自信がある人にとっての自己評価の高さは、他者より優れているかどうかは関係なく、自分が受け入れているかどうかによって決まります。
「自分は優秀だ」だけでなく、「自分が好き」や「頑張ればなんとかなる」といった自己評価にも、自信を感じますよね。
ポジティブ思考
あなたの周りで自信がありそうな人は、考え方もポジティブであることが多いのではないでしょうか?
自信がある人は、挑戦や行動を起こす際に、「きっとうまくいく」と考える力である「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」が高いのが特徴です。
自己効力感が高いと、自信がない人よりも失敗や困難に直面しても粘り強く立ち向かい、不確実な状況においてもポジティブ思考を保って行動することができます。
参考:e-ヘルスネット「セルフ・エフィカシーを高めるポイント」
合わせて読みたい:ポジティブな性格とは?前向きとの違い&ポジティブな人9つの特徴
成功体験が多い
自信がある人は、自信がない人よりも成功体験を積んできていることが多いです。過去の成功が自分の能力を証明するものとなり、自信につながると考えられます。
成功体験を積んで自信を持てば、新たなチャレンジや行動につながり、さらに成功体験を増やしていくという好循環が生まれます。自信がない人とは対照的に、他者からの評価に左右されない、強固な自己評価が形成されていくでしょう。
また、決して大きな成功である必要はなく、小さな成功体験を積み重ねていくことでも自信は形成されます。
幼少期から褒められてきた
幼少期から褒められてきた人は、自信を持っている傾向があります。褒められることを通じて自分に対する肯定や承認が育まれ、自分自身に価値があるという感覚を持ちやすくなります。
もちろん、幼少期に褒められなかった人が自信を持てないわけではありません。ですが、小さい頃から褒められてきた人は、自然と自己肯定感も高くなりやすいです。
他者からの評価に依存してしまうのは逆効果ですが、大切な人からの賞賛や受容は自己評価を形成する上でも重要な役割を持ちます。
自分の強み・長所を活かすことが得意
自信がある人は、その人の強みや長所を活かすのが得意であることが多いです。自分の長所や強みが発揮された場面を経験することで、人は自信を持つことができます。
自分のことを過度に高く評価することはかえってナルシシズムを促進してしまいますが、客観的に自分を見つめ、長所を認識することは自信を持つ上で大切なことです。また、そのような自分の強みや長所を存分に発揮できる環境に身を置いている人は、自信を持ちやすいと考えられるでしょう。
自分に自信を持つには…?
では、自信を持つためにはどうすればいいのでしょうか。このことについて悩んできた方もきっと多いはず。
「自信がないのは、考え方が違うからだ。もっとポジティブに考えよう。」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、考え方を変えるのはそう簡単なことではないはず。ネガティブなことを考えないようにしようとすればするほど、むしろ頭から離れなくなってしまうことも多いのではないでしょうか。
そう簡単に自信を持つことはできないからこそ、日々の習慣を少しずつ変えていくことが大事です。自信を持つのは難しくても、毎日の行動をちょっとだけ変えることは可能です。そのような変化を通じて、自分自身との向き合い方を変えていくこと、それが自信を持つ上でのいちばんの近道でしょう。
自分に自信を持つ方法|今すぐできる9つのこと
ここからはいよいよ、自信を持つために今すぐできることを9つご紹介します。
毎日の生活の中ですぐに実践できそうなことを中心に集めてみました。日々の生活の中で意識してみることで、少しずつ変化が生まれていくはずです。
1. 自分の長所を書き出す
自分の得意なことや強み、長所をリストアップしてみましょう。自分の長所に注目してみることで、自己評価を高め、自信を深めることにつながります。
自分の長所に気づき、それを自覚することは、自己肯定感を高める重要な一歩です。比較的受け入れやすい部分から自分を見つめ、自信を持つための土台を作ってみましょう。
2.自分の容姿を改善する
外見を改善することも、自信を高める方法のひとつ。自信がないと自分の見た目にあまり気を使わなくなってしまうこともありますが、自分で自分の容姿をより良くすることで自信を持つきっかけにもなります。
ファッションや髪型を変えてみるように、手軽に試せる部分からまずは変えてみましょう。また、健康的な食事や適度な運動を取り入れ、健康面や身体面で変化が生まれれば、自信だけでなく自分への愛着も芽生えるはずです。
3.ポジティブな発言を繰り返す
自信がない人はネガティブに考える場面も多いでしょう。そのようなシーンにおいて、自信がないからこそ、よりポジティブな思考や発言を心がけてみるのも有効な手段です。
とはいえ、無理やりポジティブに考えたり、ポジティブになれない自分を否定したりするのはむしろ逆効果。まずは、どんな場面でどんな思考や感情を抱きやすいのか、自分の「クセ」を探してみましょう。
自分のクセを見つけたら、「同じ場面で他にどんな考え方ができるかな?」とゲーム感覚で探してみるのがおすすめです。
4.過去の成功体験を思い出す
自分の過去の経験を思い出して、成功体験を認識することも、自信がない人にとっては重要です。
自信がない人からしてみれば、成功体験を思い出すのは少し難しいことかもしれません。しかし、成功の大きさやすごさは関係ありません。自信がない人は特に、どんなささいなことでも、難しいことを克服したりレベルアップしたりといった経験を思い出してみましょう。
たとえ小さな成功体験だったとしても、自分の能力や長所を見つけるきっかけになるはずです。
5.自分で自分を褒める
自信がない自分に対して優しい言葉で褒めてみるのも、自信を持つために有効だと考えられています。
自信がない人の中には、自分を褒めることに抵抗を感じる方もいるでしょう。そのような方には、まずは「大切な友人に優しい言葉をかけるならどんなことを伝えるか」を考えるのがおすすめです。
自分を褒め、自分に優しくできるようになれば、自信がない自分のことも次第に優しく受け入れられるようになるでしょう。
参考:水野雅之・菅原大地・千島雄太(2017)セルフ・コンパッションおよび自尊感情とウェルビーイングの関連―コーピングを媒介変数として― 感情心理学研究,24, 112–118.
6.周囲の人に自分の長所を聞く
自信がないことによって自分の長所や能力が分からなくなってしまう場合は、信頼できる周囲の人々に自分の長所について聞いてみるのもおすすめです。
大切な人からの肯定的なフィードバックは、自信がないあなたにとっても大きな力となります。他人の視点から自分自身を見ることで、それまで自信がないことで見つけられなかった新たな長所や価値が発見できれば、それも自信につながるでしょう。
7.小さな目標を立て、達成を繰り返す
自信がない中でも、小さな目標を設定し、達成することを繰り返すことで自信を持つことができるようになります。小さな成功体験を重ねることは、自己効力感を高める上で必要不可欠です。
特に重要なのは、大きすぎる目標を設定しないこと。明確で達成できそうな目標を設定し、それをクリアしていくことを繰り返していくのが大事です。
参考:e-ヘルスネット「セルフ・エフィカシーを高めるポイント」
8.自分を労る時間を作る
意識的に自分のことを大事にする時間を設けることも、自信を持つための土台となります。自信がないからこそ、自分が好きなこと、リラックスできることに時間を使うことで、充足感や愛着を抱くきっかけになります。
考え方を変えようとするだけでなく、実際に自分のために時間を作ったり行動したりすることは、自信がない自分に対する向き合い方を大きく変えるきっかけになります。楽しさややりがいを感じる活動、リラックスできる活動を探してみましょう。
9.常に努力をする
自分自身を磨くことも、自信につながります。目標に近づいている、あるいは過去の自分よりも進歩しているという感覚は自信を持つために重要です。
ですが、急にハードな努力をしようとする必要はありません。毎日無理のない範囲でできそうなことを選び、継続してみることが重要です。一気に無理な目標を立てても、達成できないことによるネガティブな影響を受ける可能性が高まってしまいます。
なぜ、自信を失ってしまうの…?
自信を持つための方法についてご紹介してきましたが、「自信を失ってしまう習慣や環境から距離を置く」ことも重要。自信を失わせる状況から抜け出さなければ、自信を持とうとしてもなかなか前に進むことができないでしょう。
人は、周囲の環境や日々の習慣に大きな影響を受ける生き物です。 自信がないのはあなた自身のせいなのではなく、周りの環境や状況に原因があると考えることもできます。
毎日の習慣を変えるだけでなく、今の自分自身について気づきを深めていくこと。 自信がない自分を変える上で、なくてはならないステップです。
自分の自信を失う5つの習慣
最後に、自信を失ってしまう習慣についてご紹介していきます。
あなたに自信がないのは、毎日の習慣が大きく影響している可能性が高いです。毎日の生活や環境を変えていくためには、どの習慣を変えるべきかを考える必要がありますよね。
もし当てはまる習慣に気づけたら、それが変化のためのきっかけです。自信がない今の自分を変えるためにも、これまでの日々の行動を振り返ってみましょう。
1.ネガティブ発言を繰り返す
ネガティブな発言は、自信や行動に大きな影響を与えてしまいます。
ネガティブな発言や思考を繰り返していると、自信を持つために必要な挑戦ができず、成長に対するモチベーションを下げてしまいます。さらに「自分はダメだ」「どうせできない」といった自己否定的な言葉を繰り返すと、だんだんと思考や感情がネガティブなまま固定化されてしまうことも。
2.失敗を引きずり続ける
人間は誰もが失敗してしまう生き物ですが、そのまま失敗を引きずり続けると自信を失う可能性があります。
実際には、失敗は学びの機会でもあり、自己否定につなげる必要はありません。あなたの失敗は、あなたが挑戦した証拠であり、それ自体が価値ある経験です。
どんな失敗をしたかや、失敗した結果どうなったかによっては、ポジティブに捉えるのが難しいかもしれません。それでも、過度に引きずってしまうのは、自信を失う大きな原因にもなります。
3.否定的な言葉・批判される環境に身を置く
人は、周囲の環境に大きく影響を受けます。否定的な言葉や批判を日常的に浴びせられる環境では、自信を保つことは非常に難しくなってしまいます。
自信がない中で繰り返し他人から否定され続けると、その評価を深く信じたり無力感を抱いたりすることで、距離を取るのが難しくなってしまうことも。自信がない自分を変えてもっと自分らしく生きるためには、思い切って環境から変える必要があるかもしれません。
4.過去のトラウマを払拭できない
過去の痛みやトラウマは、現在や未来についての考え方に影響を与えます。過去の失敗経験やトラウマは、自信の喪失や自己否定につながることもあるでしょう。
過去は変えられないものですが、そのことを受け入れるのが難しいことも多いです。そのような過去の経験を繰り返し思い出すことは、自信がない自分に対するネガティブな信念を強化し、大きな精神的負担となってしまいます。
5.過度なプレッシャーを抱え続ける
高い目標を設定し、自分に過度なプレッシャーをかけ続けると、失敗や不完全さに対する恐怖が増し、結果的に自信を奪うことになります。
完璧主義者のように高い理想を追求することは、悪いことばかりではないかもしれません。ですが、自信がない中での大きすぎるプレッシャーは、うまくできないことへの不安や達成できなかったときのネガティブ思考のもとになってしまいます。
理想的な自分だけでなく、自信がないことも含めたありのままの自分を受け入れることが、自信を持つ上で欠かせないステップです。
悪循環を生む習慣から脱出しよう
自信がない人は、無力感や不安によって自信を失う習慣から簡単に抜け出せず、さらに自信を失ってしまうという悪循環に飲み込まれてしまいます。
自信がない中で無理に自信を持とうとしても、うまくいかないことが多いでしょう。しかし、毎日の習慣を見直してみれば、自信をなくしてしまう原因が隠れているはず。そのような習慣から抜け出すことが、自信がない自分を変えるための第一歩となります。
人間の習慣は、少しずつ変えていくことができます。すぐには変えられないことも多いかもしれませんが、重要なのは少しずつ変化を生み出していくことです。そのことに気づいたら、自分に対する向き合い方も変わってくるはず。
私の長所を思い出して、堂々と生きていこう
自信がないのはあなたに価値がないからではなく、環境や自身との向き合い方が理由です。そして、自信がない自分とどう付き合っていくかは、日々の行動や環境によって大きな影響を受けています。
だからこそ、今は自信がない状態でも大丈夫。すぐに自信を持つことは、やはり簡単なことではありません。でも、日々の小さな習慣から、自分を変えていくことができます。
少しずつ自分との向き合い方を変えていけば、これまで見えてこなかった長所や魅力に気づけるようになります。気づけば、自信がないと思っていたあなた自身の生き方や考え方も、少しずつ変わっていくでしょう。
自信を取り戻し、あなたらしく堂々と生きていきましょう。