あの頃に戻りたい……昔を思い出してはつらくなる……
心が満たされずに、ぽっかりと穴が空いている感覚がして苦しい。昔はよかったのにな…なんで今の私はこんな状況に置かれているんだろう。
社会に出てから、人の顔をうかがったり、ちょっとしたミスで叱責されたり。時には自分の心を押し殺しながらも、目まぐるしく変わる日常に振り回されることにほとほと疲れ果てたとき、ふと昔にあった幸せな出来事が頭をよぎると、今の状況から逃げ出して、充実していた昔に戻りたい…と思ってしまうことも。
今を生きていくためには、楽しかった過去に目を向けていても苦しくなるだけ。ただ、昔には戻れないとわかっていても、なかなか過去に戻りたい気持ちが消えずにつらくなることもありますよね。
心から楽しんでいた昔に戻りたいと思ってしまうときに、私たちはどうしたらよいのでしょうか。
過去に戻りたいと思う原因は?
無理だとわかっているのに、昔に戻りたいと考えてしまう。過去と今を比較して、落ち込んでしまう。
過去ばかりに意識が飛んでいると、今目の前にある大切なものを見逃してしまったり、取り逃してしまったりすることもわかっている。それでもなお、私たちが昔に戻りたいと思うのはなぜでしょうか。
“今”に不満を感じている
昔に戻りたい気持ちの裏側には、今の生活への不満が隠れていることが多くあります。また、忙しい毎日に流されてしまい、“今”を生きている実感が薄れている可能性も。目の前の状況をマイナスに捉えていると、逃げ出したい気持ちになって、昔にあった思い出に逃避するケースが多いのです。
もっと充実した毎日を送りたいと思いながらも、過去のように過ごすのは難しいと諦めてしまっていると、昔に戻りたい気持ちにいつまでも縛られてしまいます。
つらいことがあり落ち込んでいる
恋愛や仕事、対人関係に悩みを抱えているときも、順調だった過去を思い出して、昔に戻りたいと考えてしまうかもしれません。つらいことがあって落ち込んでいるとき、ストレスが溜まり心が弱っているときほど、楽しかった過去の記憶がよみがえってきやすいです。
たとえば失恋したときに、楽しかった思い出ばかり頭をよぎる経験をした人も多いのではないでしょうか。
幸せを感じていた過去と今のギャップに苦しんでいると、自己肯定感が低下する恐れもあります。
後悔していることがある
過去に後悔していることがあると、昔にタイムスリップしてやり直したいと思ってしまうかもしれません。過去は変えられないとわかっていながら、「あのときもっとやりようがあったのでは?」「どうしてあんなことをやってしまったんだろう」と後悔を引きずっている人も多いかもしれませんね。
失敗やトラブルは、時に人の心に大きな傷を残します。昔に負ってから、今もなお癒えない傷を抱えていると、いつまでも過去の後悔に囚われてしまい、やり直したいと願ってしまうのです。
昔に仲良くしていた友人と再会したため
昔に仲良くしていた友人と再会して、思い出を語り合っていると、充実していた過去の記憶がよみがえり、あの頃はよかったな、昔に戻りたいなと感じることがあります。全力で生きていた学生時代を思い出して、忙しさから自分のことが後回しになりがちな今の生活と比較してしまうことも。
また、昔に仲良くしていた友人が出世していたり、結婚や出産を叶えていたりすると、自分と比較して苦しくなってしまいがち。現状から目を背けたくて、楽しかった過去の思い出に逃避してしまうかもしれません。
過去に戻りたいと思う人の3つの特徴
昔に戻りたいと思ったことは、誰しも一度はあるはず。でも、頻繁にその思考が湧いてくる人は、共通点を持っています。もし過去に戻りたいとよく考える人は、これから紹介する特徴に当てはまっていないかチェックしてみてください。
気持ちの切り替えが苦手
失敗やミスをいつまでも引きずってしまう。オンとオフをうまく切り替えられずに、いつでも緊張している気がする。
気持ちの切り替えが苦手な人は、過去に囚われやすいです。特に後悔し続けていることがあれば、いつまでも脳内で反省会をやめられず、昔に戻ってやり直したいと考えてしまいがち。
また、昔に戻れないと頭ではわかっていながら、楽しかった過去に戻りたい気持ちと今の自分を切り離せない人も。
過去は過去、今は今と前向きに考えられる人がいる一方で、過去と今を切り離せずに悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
周りの人に影響されがち
周りの人に影響されがちな人も、後悔を残してきた昔に囚われやすい傾向にあります。これまで、親や友人などの大切な人の意見に合わせて自分の気持ちを押し殺してきた人は、「自分の意思で選択した」と感じる経験が少なく、昔に戻って自分で人生を選び直したいと考えることも。
周りの人に影響されてきた結果である今に不満を感じていると、余計に「自分で選んだら今頃どうなっていたのだろう」と昔に意識を向けてしまい、悶々としやすいでしょう。
今、熱中できるものがない
過去に戻りたいと考える人の中には、今の生活の中で熱中できるものがない人もいます。この場合、昔に努力を積み重ねてきた経験がある人があてはまりやすいです。
今、熱中できるものがなく淡々と日常を過ごしている中で、ふと昔に目標に向かって努力していた頃と今を比較してしまうのです。
夢中になれるものがあると、毎日の生活に彩りが生まれて、充実感を持てるようになります。今を生きられるようになると、昔に意識が飛ぶ回数が減っていくのです。