もう疲れた、何もしたくない…。
日々の仕事に追われ、人間関係に気を遣い、毎日頑張ってきたけれど、もう何もしたくない。心が疲れた。
きっかけはなんだろう。重なった仕事のミス、心無い人の言葉。あまり気づかなかったけれど、私も傷ついていたのかもしれない。もう心が疲れた。
でもよくある悩みだし、自分で解決しなきゃ。そもそも、もっとしんどい人だってたくさんいるから、甘えたことは言っていられない。
もっとポジティブに考えなきゃ、ほかのことを考えなきゃ。なのに、どんどん気分が沈んでいく。どうすればいいんだろう……。
心の疲れチェックリスト
まずは、心がどれくらい疲れているか確認してみましょう。厚生労働省が作成した「働くひとの疲労蓄積度セルフチェック」をもとに、チェックリストを作成しました。
以下のうち当てはまる項目が多いほど、心が疲れている可能性が高いでしょう。
- イライラする
- 不安だ
- 落ち着かない
- ゆううつだ
- よく眠れない
- 体の調子が悪い
- 物事に集中できない
- することに間違いが多い
- 仕事中、強い眠気に襲われる
- やる気が出ない
- へとへとだ(運動後を除く)
- 朝、起きた時、ぐったりした疲れを感じる
- 以前とくらべて、疲れやすい
引用:厚生労働省「働くひとの疲労蓄積度セルフチェック」
「心が疲れた…何もしたくない…」と感じてしまう主な原因
心が疲れたと感じてしまうとき、原因はいくつか考えられます。とくに忙しい社会人においては、何もしたくないと感じる方も多いでしょう。
心が疲れて何もしたくないとき、以下の理由が考えられます。
- 過度なストレスが毎日かかっている
- 自分の時間が取れない
- 環境の変化についていけない
- 運動不足
- 生活習慣が整っていない
過度なストレスが毎日かかっている
心が疲れた、何もしたくないと感じてしまう主な原因のひとつとして、過度なストレスが毎日かかっていることが挙げられます。
過度なストレスは、心身に悪影響を及ぼします。「心が疲れた」といった精神面の不調だけではなく、肩こりや頭痛といった身体症状、さらには睡眠障害や食欲不振の原因にも。
ストレスの原因は多岐にわたります。何もしたくないという感情が長く続いている場合は、心身が限界に近づいているケースも少なくありません。
自分の時間が取れない
自分の時間が取れていない状況も、心が疲れたと感じてしまう要因です。
自分の好きなことをしたり、自分のペースで過ごしたりすることで、人は心身をリラックスさせています。しかし、やるべきことに追われて自分の時間が取れないと疲労感を拭いきれず、何もしたくないと考えるように。
自由に過ごせる時間を定期的に確保できているかどうか、改めて振り返ってみましょう。毎日懸命に頑張りすぎるあまり、自分のことを後回しにしていませんか?
環境の変化についていけない
ついていけないほどの環境の変化も、心が疲れた、何もしたくないと感じてしまう原因のひとつでしょう。
仕事や学校、引っ越し、転職、結婚、出産など、生活に大きな変化が起こると、知らず知らずのうちに大きなストレスがかかります。
自分では大丈夫だと思っていても、感情やストレスレベルが変化しているかもしれません。主観的な判断だけではなく、より客観的に生活を振り返ってみると、実は強いストレスを感じているケースも多いです。
運動不足
心が疲れた、何もしたくないと感じてしまうとき、運動不足も原因として考えられます。
運動をすると血行が良くなり、体内の老廃物が排出されやすくなります。また、脳内でセロトニンなどの幸せホルモンが分泌されるため、メンタル面においても運動は重要です。
現代人の多くは運動不足だといわれています。日々の生活の中で意識的に身体を動かす時間を作らないと、だんだん心が疲れたと感じやすくなってしまうでしょう。
生活習慣が整っていない
生活習慣が整っていない場合、心が疲れたと感じやすい傾向にあります。
睡眠不足や不規則な食生活、暴飲暴食、喫煙、過度な飲酒など、健康に悪影響を及ぼすような生活スタイルは精神的にも大きな負担につながるでしょう。
そのような生活を続けると、やる気や集中力が低下してイライラや不安が増加すると考えられています。その結果、さらに心が疲れたと感じやすくなる負のループに陥ってしまうことも。
何もしたくないと感じたときは、日々の生活習慣を振り返ってみましょう。
心が疲れたと感じたら、休むべき?
心が疲れたと感じたら、なるべく無理をせず休むことが大切です。
真面目で責任感が強い人の中には、自分の仕事や役割を果たすことを最優先し、休息をネガティブに捉える方も多いでしょう。また、周囲からの期待に応えたいという気持ちも、休みづらくなる要因のひとつです。
さらには、適度に休むことを「怠けている」と考える方も少なくありません。そのため、つい無理して頑張ってしまいがち。
ですが「何もしたくない」と感じるのは、心や身体からのSOSサインです。うつ病や適応障害など、心の病にかかってしまうとすぐには元に戻れません。
無理をし続けても、むしろ長期的に仕事や生活に影響が出ます。そうなる前に、きちんと休むことが大切です。
心が疲れているだけではないのかも
「心が疲れた」「何もしたくない」と感じるとき、実は心が疲れているだけではなく身体的疲労も影響しているかもしれません。
肉体的・身体的疲労と心の疲れは、互いに影響し合う関係にあります。肉体労働や運動などによって身体を酷使することで、身体的な疲労も蓄積するのです。その結果、集中力や判断力などの低下、気分の落ち込み、やる気の喪失などの精神的な症状が現れる可能性があります。
だからこそ、心が疲れたときは精神面だけではなく、身体のケアも大切なのです。
しんどい時に試したい5つのコト
ここからは、心が疲れたときに試してほしい5つの行動についてご紹介します。
きちんと心身を休めるためには、きちんと効果的な方法を試してみるのがおすすめです。何もしたくないと感じたときは、これからご紹介する内容を参考にしながら自身を労ってあげましょう。
思い切って仕事などを休む
心が疲れたときにまずおすすめなのが、思い切って仕事などを休んでみること。
何もしたくないと感じるのは、心身が疲弊し、エネルギーが枯渇している証拠です。無理して働き続けてしまえば、さらに体調を崩し、余計に多く休まなければならないことも。
思い切って休息を取り、疲れた心を回復させながら、自分自身と向き合ったり気分転換したりしてみましょう。
睡眠を最重要にしてみる
何もしたくないと感じたら、仕事や遊びよりも睡眠を最優先にしてみるのもひとつの手です。
睡眠は心身を回復させるうえで欠かせないもの。エネルギーが枯渇しているときこそ、十分な睡眠を取ることで元気を取り戻せるでしょう。
睡眠不足とストレスは密接に関係しています。睡眠不足はストレスを増加させる原因となりますが、逆にストレスもまた睡眠不足の原因に。
負のスパイラルに陥りやすいため、心が疲れたと感じたときこそ睡眠時間を見直してみましょう。
森林浴など自然に触れる
心が疲れたときは、自然に触れるのもおすすめです。
自然に触れるだけでも、ストレスが軽減されると言われています。とくに森林浴は効果が高く、ストレスホルモンや幸福度を高めるホルモンのバランスが整うと報告されていますよ。
自然の景色を眺めると、心が落ち着き、リラックスできますよね。森林浴で副交感神経が優位になる、いわゆる「森林浴効果」が期待できます。
何もしたくないと感じたときは、思い切って自然が感じられる場所に出かけてみましょう。
食生活のバランスを整える
何もしたくないと感じたら、食生活のバランスが崩れていないかチェックするのも重要です。
心が疲れたと感じるのは、栄養バランスが影響している可能性があります。栄養が不足すると、疲労感や体調不良につながるため、日々の食生活は精神的の安定にも欠かせません。
主食、主菜、副菜をバランスよく食べ、必要な栄養素をきちんと摂取するようにしましょう。とくに外食が続くと栄養が偏りやすくなるので、注意してくださいね。
スマホやSNSなど情報から離れる
心が疲れたときは、スマホやSNSから距離をおいてみましょう。
スマホやSNSには、ネガティブな情報や他人と比較してしまうような投稿が溢れています。見続けると、脳や精神的な疲労もなかなか拭えません。
しかし、中毒性の高さからついつい長時間スマホやSNSを眺めてしまいがち。気づけばどんどん時間を浪費してしまっているなんてことも日常茶飯事ですよね。
簡単なことではないかもしれませんが、スマホやSNSとは意識的に距離を取るのがおすすめです。
心が疲れている時のNG行動
心が疲れたと感じるときに、あまりしないほうがいいNG行動が存在します。なかには、ついやってしまいがちなものも。
何もしたくないと感じるときこそ、これからご紹介する行動はなるべく避けましょう。
気合や、やる気でカバーしようとする
心が疲れたと感じているときに、やる気や気合でカバーするのは避けましょう。
やる気や気合は、あくまで一時的なもの。心が疲れている状態が続くと、やる気や気合はどんどん持続できなくなります。結果的に、うまくモチベーションを維持できない状態にストレスを感じてしまうでしょう。
そもそも「何もしたくない」という感情は、心身に蓄積されたストレスや不安などによって引き起こされます。やる気や気合だけでは根本の解決にはならないのです。
栄養ドリンクやコーヒーなどを多く摂取する
何もしたくないと感じるときに、エナジードリンクやコーヒーに頼りすぎるのもNG。
カフェインには覚醒作用があり、生産性を高める効果が期待できます。ただし、摂取しすぎると依存症や副作用のリスクも高まるので注意しなければなりません。
さらにひどくなると、めまいや頭痛、イライラといった症状を引き起こすことも。
心が疲れたときでも、エナジードリンクやコーヒーはあくまで適度に使用するようにしましょう。
何もせずにいる
心が疲れたとき、ずっと何もしないまま過ごすのもやめておきましょう。
何もしたくないと感じるときは、そのまませずにぼーっとするのも大切です。しかし、心が疲れたからといって何もしない時間が長すぎると、さらにだるさが増してしまいます。
1日何もせず過ごすのは「貴重な休日を無駄にしてしまった」という後悔のもと。適度に身体を動かしたり、好きなことに没頭したりして、心身をリフレッシュしましょう。
もちろん何もせず過ごした方がいいケースもあるため、すべての人に当てはまるとは限りません。
やる気が出ない、疲れが取れないは、心のサインかも
繰り返しになりますが、「心が疲れた」「何もしたくない」と感じるのは、心身のSOSサインである可能性が考えられます。
精神的な疲労は脳内のホルモン分泌のバランスを崩し、集中力やモチベーションの低下を招くと言われています。そのため、なかなかやる気がでないときは、気持ちや考え方だけのせいにせず、原因をきちんと考えることが大切です。
仕事でのミス、将来のお金、SNSと、日常生活のさまざまなシーンでストレスを受けやすい現代社会。適度なストレスは充実した生活のために不可欠ですが、心が疲れたと感じるときは何かしらの対処をしておくべきでしょう。
一旦仕事や学校を休んでみる、生活の中でストレスを感じやすい場面を振り返ってみるなど、本格的なストレス対処法が必要かもしれません。何もしたくないと感じる時間があまりにも長いと感じたら、無理せず専門家に相談してみるのもおすすめです。
疲れた時は無理をせずすごそう
心が疲れたときこそ、無理をせずに過ごすのがやはりおすすめです。
風邪やインフルエンザのように身体に症状が現れるものとは異なり、メンタル上の問題は放置されてしまうケースがほとんど。精神的な不調は目に見えにくく、自覚した頃には手遅れとなってしまうパターンも少なくありません。
休むことに抵抗を抱く人も多いかもしれませんが、精神面の不調が悪化するほど回復に必要な時間は膨大になります。そのため「何もしたくない」「心が疲れた」といったSOSサインをきちんと受け止めることが大切です。
何もしたくないという状況でも、何か気晴らしになることをしましょう。ゲームやショッピング、友人とご飯など、好きなことを自分のペースでやってみてくださいね。
疲れを感じるのは、いつも頑張っている証拠。無理をせずに自分を休めてあげましょう。