もっと楽に生きたい……そんなときの魔法の言葉「ケセラセラ」
なるようになると言われても、あれもこれもと心配になってしまう毎日。始めたいこと、やりたいこと、行きたい場所…。一歩踏み出すだけなのに、心配が先行して行動に移せない。少しでも気軽に一歩を踏み出せるきっかけは、なるようになると考えるための方法はないの?
終わってしまえば「なるようになるんだな」と思えることも、始めるまでは腰が重く「あんなことがあったらどうしよう」と、準備で力尽きてしまいがち。備えるのは大切ですが「なるようになる」と根拠のない自信を持って挑んでみることも大切です。
今回は「もっと楽に始められたら」「もっと簡単に考えることができれば」と考える人に向けて、魔法の言葉「ケセラセラ」をご紹介します。意味や、似た言葉、なるようになる思考を心に留めておきましょう。
「ケセラセラ」の意味とは?
ケセラセラは、日本語では「なるようになる」と訳されることが多く、前向きに、楽観的にというニュアンスを持ちます。日本の「行雲流水」や「流れに身を任せる」などに近い表現です。
スペイン語で「que será, será 」と書きますが、もともとはスペイン語にもない文法と言い回しであり「なるようになる( lo que será, será)」から来ているものと言われています。いまでは、一般的に使われる言葉ですが、1956年のアメリカ映画「知りすぎていた男」の主題歌のタイトルや印象的なフレーズとなり、当時の流行語にもなったことから日本でも「ケセラセラ=なるようになる」と知られるようになりました。
「なるようになるよ」と自分はもちろん、人を励ますときや応援するときなどにも用いられる言葉です。
「ケセラセラ」と似た意味を持つ言葉
ケセラセラ以外にも、前向きや楽観的に考えられる言葉がいくつかあります。「なるようになる」といったニュアンスの、挑戦や何かを始めたいときに知っておきたい言葉をいくつかご紹介します。
ケセラセラ・なるようになるを、心に留めておくだけではなく、応援メッセージとして送る・励ましの言葉としてなど、シーンに応じて使い分けるのもよいでしょう。
明日は明日の風が吹く
「明日は明日で状況が変わるよ、大丈夫」「今日は今日。明日は明日だ。なるようになるんだ」といったニュアンスで使われる言葉です。今日嫌なことがあっても、腐らず明日を迎えようといった気持ちになれます。
昭和の大俳優といわれた石原裕次郎さん主演映画の主題歌、そのタイトルなどに使われたことで広く知られることになりました。
平成・令和と時代を超えて、今でもさまざまなところで耳にする言葉です。「なるようになるし、明日は明日の風が吹くよ」など日本らしい言い回しなので、覚えやすく、心の中にも留めておきやすいでしょう。
行雲流水
日本の四字熟語で「なるようになる」と似た意味で使われるのは、行雲流水(こううんりゅうすい)です。「雲が行くが如く、水が流れるが如く」からきています。空を行く雲・流れる水のように物事に、深くいつまでも執着せず自然の成り行きに任せようなるようになるのだ、という意味です。雲も水も一定の形を保つことはありません。「自然に移り変わること・なるようになることを受け入れていこう」という考え方を表しています。
「行雲流水」は中国から伝わってきた四字熟語です。他にも、なるようになる・自然でありのままの状態・執着心や先入観を持たない状態を表す類語も多く存在しています。
人事を尽くして天命を待つ
国語の授業などでもよく見かける「人事を尽くして天命を待つ」も、なるようになるに似た意味で使われる言葉です。「自分ができる限りのことをしたら、あとは運命・天に任せよう」という意味があります。試験を終えた後や、大きな仕事の結果を待つときなどに使われることが多い表現です。
人事は「自分ができること・なすべきこと」天命は「天が定めた運命・決まっていること」を表現。「なるようになる」や「なるようにしかならない」といった意味が強く、自分ができる努力をしたのだからどのような結果になっても後悔をしないだろう、という意味も含まれます。
なんくるないさ
沖縄の方言でもある「なんくるないさ」は、今では一般的に広がっていてふとした瞬間に口にする人も少なくありません。なるようになる以外に「大丈夫だよ」といった意味でも使われることが多く、日常生活の中でもさまざまなシーンで使われています。本来は「くじけずに頑張れ、きっと頑張りが報われるときがくる」という意味ですが、「なるようになるよ」の意味で使われることが増えました。
「なんくるないさ、なるようになるよ」と落ち込んでいる相手にここからさらに頑張ってほしい、ちょっと大変なとき、壁にぶちあたったときなど、人に声かけするときにも使えるでしょう。
「なるようになる思考」でいることのメリット
ケセラセラだけではなく、「なるようになる」と前向きにとらえられるさまざまな言葉が存在します。なにかの壁に当たったとき、選択に悩んだときなど、いくつかのパターンを想定して準備する安心感を得ると共に、自分を信じて「なるようになる」と突き進むこともとても大切です。
また、「なるようになる」と考えることで得られるメリットも多く、人生を豊かにするために必要な思考ともいえるでしょう。ここでは、「なるようになる思考」でいることのメリットを4つご紹介します。普段考えすぎてしまう人は、メリットを自分のために手に入れましょう。
心の緊張がほぐれ、プレッシャーから解放される
心配事や不安が多いと、緊張感を持ったまま物事に挑んでしまいがちです。緊張感はある程度必要ですが、緊張で固まってしまうと、普段できていることも失敗しかねません。また、失敗を繰り返したくない、とプレッシャーを感じてしまい、悪循環に陥ってしまいます。
「なるようになる」と考えられると、心の緊張もほぐれリラックスした状態につながり、本来の力を発揮することができるでしょう。
生きやすくなる
「なるようになる」と考えれば、すべての結果や過程を「そういうものだ」と受け入れやすくなります。さまざまなシーンを受け入れやすくなることは、生きやすくなる条件の一つです。
友達の顔色・試験の結果・親との距離感・やりたいことへの資金や時間、それらは一定の経験値を得たり準備をしたりしても、どうにもならない瞬間がやってきます。「なるようになるだろう」と器を大きく持つことで、心配などで埋め尽くされることなく生きやすいと感じる瞬間が増えていくでしょう。
考えすぎなくなる
必要以上に考えて失敗をしてしまったらどうしよう、とネガティブな感情に支配されると、些細な出来事も気になって頭から離れなくなることがありますよね。「考えること」や「予測すること」は大切ですが、度合いを間違えると、行動や思考を停止させてしまう・なにも始まっていないのに疲弊してしまう原因にもなりかねません。
「たしかに心配だけど、なるようになるよね」「なるようになるんだから考えても仕方ない」と思えると、考えすぎて心身を疲弊させることも少なくなるでしょう。
新たな挑戦のきっかけになる
新しい挑戦や変化は、とても怖いものです。プレッシャーを感じやすく「本当にこれでよかったのか」「自分にできるのだろうか」と、不安を感じることも多いでしょう。安定した生活はとても居心地がいいですが、変化が必要なときもありますよね。
「なるようになる」と考えられることで、新たな挑戦や変化へのきっかけになるでしょう。「始めてしまえばなるようになる」と楽観的になれれば、挑戦へのハードルをグッと下げられます。
人生、なるようにしかならない!ケセラセラ精神を手に入れる方法
どんなに気に病んでも人生はなるようになる、と感じたことがある人は多いでしょう。すでに経験をしているはずなのに、不安や心配事は常に付きまとうため、心も体も重くなってしまいがち。しかし、それらが杞憂で終わることも少なくありません。
自分たちが思っている以上に、人生はなるようになることばかりで「とりあえず目の前のことに集中する」「なるようになることを体感する」そんな日々の繰り返しです。どうせなら多くの経験をしていくために、ケセラセラ・なるようになるの精神で一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
ここでは、今からケセラセラ精神、なるようになると考えられる思考を手に入れる方法をいくつかご紹介します。
不安の原因を探る
「なるようになる」と考えるのが難しい人は、今なにがその不安や心配を掻き立てているのか原因を探ってみましょう。お金のことであれば、稼げるかどうか・足りるかどうかなど、紙に書き出すなど漠然としたものを具現化しましょう。
なるようになる、と考えるために漠然としたものではなく細かく探っていくことが大切です。
まずは目の前の問題に全力で向き合う
いくら「なるようになる」と考えることが必要でも目の前の問題と向き合うことでしか解決できないことも多々あります。始めてしまえば「なるようになるじゃん!」とわかってしまうものですが、始めるまではそう考えるのは難しいでしょう。
まずは全力で目の前の問題に向き合い「なるようになる」を体感することで、ケセラセラ精神・なるようになる思考を手に入れることにつながります。
自分に自信を持つ
なるようになるは、根拠のない自信です。自信を持つことを日本ではよく思われない雰囲気がありますが、根拠がなくても自分に自信を持つことはとても大切です。
「何かを始めてもなるようになる」「大丈夫、なるようになる」と、思い切って一歩踏み出す味方になってくれ、ケセラセラ精神・なるようになる思考へとつながります。
ポジティブ思考を心がける
なるようになると考えられるよう、ポジティブな思考を心がけるのは日常的にも大切です。ネガティブ思考は心身の気力を奪ってしまうことも少なくありません。無理矢理ポジティブに考える必要はありませんが「自分が苦手なことにちゃんと挑戦できた」など小さなポジティブを見つけてみることが大切です。
ポジティブな思考を心がけることでいつのまにか「まあでも、なるようになるか!」「なるようになるでしょ!大丈夫!」と考え行動範囲が広がっていくでしょう。
ケセラセラ精神で、人生を自由に楽しもう!
ケセラセラの意味や、なるようになるなど、似た言葉をご紹介しました。
人生はなるようになるだけではなく、さまざまな選択があります。時には、選ばなかった方が気になることも多いでしょう。しかし、人生はどのような選択をしてもなるようになるのです。
造語ではありつつ、有名な映画の主題歌で使われたことで、広く知られるようになった「ケセラセラ」は、今ではなるようになると考えるための、人生を豊かにする大切な言葉の一つ。
ついつい考え過ぎてしまうときは「ケセラセラ」「なるようになる」を心の中で思い出して唱えてみてください。