

結婚していても、恋愛はしていたい

好きだとか、愛してるとか、そういった気持ちだけではないから、結婚した。
いつでも安心できる場所であり、一番の味方であり、最高の親友のようなパートナー。
結婚ということは、ただ好きではやっていけない。そんなことはわかっていたけれど、不安もあった。
恋愛結婚をしたからこそ、ずっと好きでいてほしいし、恋愛対象として見られていたいという気持ち。
他の異性の影がないか心配する時もある。
どんなに信頼していたって、好きだからこそ、不安になる夜がある。
私が好きになる人だから─

私が世界で一番愛おしいと思うような人だから。魅力的な人だから。だから、不安になってしまう。
他の人も、彼が魅力的な人に見えてるのではないかって。
自分が魅力的な人間になろうと努力してみたり、人と比べないように努力してみたり、相手を信頼することだけに専念してみたりと、できることはなんでもやったつもりでいる。
それでも不安になる気持ちは、私の若さなのだろうか。自己肯定感の低さなのだろうか。
帰りたくなる場所でありたい

結婚と恋愛の違いは、”求めることの違い”にあるのだと思った。
女性として魅力的でいようと思うことより、帰りたくなる場所を作ることのほうが重要だと知った。
喧嘩していると、「今日は帰りたくないな」と思われてしまう。
メンタルが不安定だと「今日帰ったらめんどくさそうだな」と思われてしまう。
異性関係の不安をぶつけると「帰ったら問い詰められそうだな」と思われてしまう。
玄関のドアを開ける前に深呼吸させてしまったり、気合を入れさせてしまうのは、絶対に避けたいと思った。
玄関のドアを開けた後に、ほっとして「はぁ〜今日も疲れた〜」って言える家を作りたい。
女性としての魅力は、おばあちゃんになれば薄れていく。
そこに目を向け続けていても、きっと私もパートナーも幸せではないと思えた。
美味しいご飯が待っているとか、ふかふかのベッドで眠れるとか、機嫌よく笑って「おかえり」って言ってもらえるとか、仕事の愚痴を聞いてくれるとか、ハグするだけでストレスが軽減されるとか─。
そんな小さな幸せを作り出すことで、自分の不安な気持ちを解消できると気づいた。
美人でスタイルが良くて、頭も良くて、愛嬌があって、隙がある。
そんな人になれなくても、パートナーにとって帰りたくなる場所を作り出せるのは、私だけだから。
他の人と比べて落ち込むばかりではなく、他の人と比べて自分にしかできないことに気づけると、家庭はもっと豊かになるかもしれない。