

法律婚or事実婚

“人生を共に歩きたい人と、別の姓は名乗るけど、結婚はしたい”
それは、欲張りではないと思うんです。
夫婦という関係に対しての解釈や価値観は、人それぞれだと思う。
「相手の名字を名乗れる幸せ」を感じる人もいれば、「名字はアイデンティティだから失いたくない」と感じる人もいる。
家族が大好きだから、戸籍から抜けたくない人や、家族ともパートナーとも同じ戸籍に入りたい人もいる。
ただ、これは女性だから悩むのか?とも、思う。
婿養子の制度を取らない限り、女性が男性の戸籍に属し、男性の名字を名乗るという理解し難い風習は、いつまで続くのだろうか。
結婚には、多種多様な選択肢があって良いと思う。
戸籍も姓も一緒になりたい夫婦。
戸籍上は一緒になりたいけど、別姓を名乗りたい夫婦。
戸籍も姓も別々が良い夫婦。
異性でなく、同性の相手と一緒になりたい夫婦。
十人いれば十通りの望みがある。そのすべてを叶えるのは難しいだろう。
だけど、法律婚か事実婚の二択しかないのは、あまりにも窮屈だと思う。
結婚の価値観って?夫婦の在り方って?

先ほども、夫婦関係の解釈や価値観について触れたけれど、私は結婚を考えた時、家族ってなんだろう。家庭ってなんだろう。と、深く考えさせられた。
私たち夫婦が導き出したのは、どちらかの家に嫁ぐのではなく、2つの家族が結び合い、また新たな家庭を築いていくという解釈だった。
なので、“嫁ぐ”という言葉の意味は理解できても、体現しようとは、なかなか思えなかった。
他にも、法律婚については疑問を感じる制度内容が多く、これまで対等であることを何より重要視してきた私たち夫婦にとって、法律婚を選択することで、どちらかが犠牲・不利になる状況はさえたいと思った。
その時点で、法律婚の選択肢が消えた。
二択しかない選択肢のひとつが、一瞬で消えた……。
残るはもう、事実婚のみ…。
もしくは、結婚しないか…。
いや、法律上では、事実婚も夫婦ではないのだけれど……。
消去法で、事実婚を選択した。

私たち夫婦は、戸籍上、他人。
消去法として事実婚を選択した。
しかし、愛する人と戸籍上他人である事実は、かなり受け入れ難い。
ただ、それ以上に、財産分与やこれまで名乗ってきた姓から離れることは、もっと受け入れ難かった。
ただ、私たちのもとに新たな命を授かることができたら。私に親権が生まれたら。事実婚を選択し続けることによってのデメリットがあまりに大きすぎる。
旦那は、認知しかできないのか。親権は持てないのか。
またその時に、私たち夫婦で話し合う必要があるのだと思う。
ただ、ふと思う。
本当に、選択肢は、法律婚と事実婚の2つだけであっているだろうか。
「相手と同じ戸籍に入りつつも、家族との戸籍にも、変わらず属していたい。そして、共同親権を持ちたい」と思うのは、わがままだろうか。
愛する人が同性の場合、法律婚と事実婚の選択肢すらないことは、本当に正しいのだろうか。
誰を愛しても、誰と一緒になっても、どんな形で一緒になっても、人生が豊かで幸せであることが一番重要視されるべきではないだろうか。
人権とは、そういうことではないだろうか。