イヤイヤ期のダメな対応|イヤイヤ期の子どもへの対処法や上手な接し方

Edit by ShimojiAkane

子どものイヤイヤ期への対策、どうする?

子どもの成長過程の一つ、イヤイヤ期。平均的に2〜長いと4歳前半くらいまで続くと言われています。あれもこれも嫌、自分でやりたい、なんでどうして、の繰り返しで親の方は疲弊してしまうことも少なくないでしょう。

子どもに関するお悩みでもよく聞くイヤイヤ期の悩み事は、どこの家庭でも必ずある問題と言っても過言ではありません。うまく対応できる大人であっても、相手はうまく意思疎通ができない子ども。叱りつけるのも、大きな声を出すのも、教育や心身の発達上よくないと言われ、とはいえ優しく言っても聞いてはくれない、という狭間で子どもに向き合えない人も増えています。

子どもの成長において、必ずあるイヤイヤ期のダメな対応とはどのようなもので、よい対応はどのようなものなのでしょうか。

イヤイヤ期の子どもへのダメな対応

毎日毎日「イヤ!」の一言で拒絶されれば、どんなに達観している大人であっても叫んで暴れ出したくなってしまう日があるでしょう。子どもの成長過程であるとはいえ、イヤイヤ期の対応は難しいもの。ここでは、ついついやってしまいがちなイヤイヤ期の子どもへのダメな対応をご紹介します。

頭ごなしに叱る

理由やなぜそうなのかなどを説明せず、とにかく怒る・声を荒げるのはNG対応の一つ。ついつい口が先に出てしまって「ねえ、ダメって言ったよね!」「いい加減にして!」「〇〇しなさい」など、声を荒げて頭ごなしに叱ると、子どもは「自分の意思無視されている」と感じ、さらに癇癪や大きな声で泣くことにつながってしまいます。

子どもを突き放す

イヤイヤ、とずっとされていれば親も「もうイヤ!」となり、放置・子どもを突き放したくなってしまうこともあるでしょう。しかし、いくらイヤイヤ期といえど子どもを突き放すのはダメな対応です。

子どもにはなんの効力もなく、大きな絶望感や喪失感を感じ、さらに不安定な気持ちを掻き立てるかもしれません。イヤイヤ期の態度がさらにひどくなることや、泣いて暴れる頻度や強さが加わり、怪我などにもつながる恐れがあります。

「ダメ」と押さえつける

「ダメ!」と一言で言ってしまうのは簡単です。しかし「ダメ」と言われて「ダメなんだ」とわかる子どもであればイヤイヤ期などに悩まされることはないでしょう。大人であればダメな理由が「こんな危険があるから」「ルールやマナー」などわかりますが、子供はまだそれらの知識もない状態です。

「ダメ」だけでは何も伝わらず「自分を否定された」という感覚だけが残ります。

子どもがわからない言葉で伝える

大人との会話や、ある程度の年齢の子どもとの会話であれば難しい言葉や、通常通りの言葉でもいいでしょう。しかし相手は子どもで、まだ生まれて数年。これからさまざまな表現や言葉を覚えていく過程です。子どもがわからない言葉で叱ったり伝えたりしても、余計混乱を招いてしまいます。

自分達が話す言葉ではなく、子どもに伝わりやすくわかりやすい言葉で伝えることが重要です。

子どもを脅す

「鬼が来るよ!」「パパに言いつけるよ」など、どうしても言うことを聞かないと言ってしまいがちです。最初は効力があり、たまに使う程度ならよいかもしれません。しかし、日常的に使ってしまうと子どもの恐怖心だけを育てることになり、常に何かに怯え、様子や顔色を伺うようになってしまいます。

また、他の家ではそんなことを言っていないと知ると「自分が悪い子だから」などと考え込んでしまう子どもも少なくありません。

イヤイヤ期の子どもへの上手な接し方や対処法

親にとっては朝から夜まで悩ましい問題でもあるイヤイヤ期ですが、子どもの「イヤ」という主張は、さまざまな部分で自立し始めている合図でもあります。しかし叱るのも難しく、だからと言ってなんでも許してよいことばかりではありません。ではどのように対応するのがよいのでしょうか?

子どもの話を聞く

イヤイヤ期の子どもだからと諦めるのではなく、叱ることも大切です。ただ叱るのではなく、まず子どもの話を聞くようにしましょう。「あなたと向き合うよ、お話をしようね」という姿勢で向き合うことで、子どもも自分の主張や気持ちを伝えてくれるでしょう。

子どものイヤイヤや、わがままには理由があります。まずは子どもの話を聞き「なんでイヤなの?」「どうしたらいいの?」と子どもと話をしてみましょう。

「自分でやりたい!」を尊重する

イヤイヤ期の子どもは、ちょうどさまざまなことが自分でできるようになり始める時期。ママやパパのしていること、お姉ちゃんお兄ちゃんのしていることを真似したくなっている時期です。

そのため可能な限り「自分でやりたい」を尊重し、体験させてみましょう。料理などの火や包丁などの危ないものからは離れ、自分でやりたいことを少しずつやらせてみせ「できたね」「こうやってみてね」と一緒にやってあげることが大切です。

2歳頃の子どもには二語文、三語文で伝える

2歳ごろから始まると言われているイヤイヤ期。まだ言葉で上手に伝えることができない、理解することが難しい年齢です。長い言葉でいつまでもお説教するのではなく「これはダメ」「あついあついだよ」など、子どもにわかりやすい言葉で二語文、三語文を用いて伝えましょう。

その際も、背を向けたり他の方向を見ながらではなく、子どもと向き合っていうようにしましょう。子どもと目を合わせて、どうしてダメなのか、なんでこうしているのかなどを伝えるようにします。

時間に余裕を持つ

買い物、料理、お出かけ…イヤイヤ期はすべてに時間がかかります。一度「イヤ〜!」と始まってしまうと、10分15分は当たり前のように過ぎてしまうでしょう。すべての物事を始める際は時間的余裕を持ち「イヤイヤ」が始まっても問題のない時間配分を考えておくと、焦らずに済みます。

イヤイヤ期特有の「イヤ!」から始まる時間は、親にとっても「また?」となってしまいがちですが「好きなだけイヤイヤ言ってもらって、落ち着いたら出よう」と心の余裕を持つとその余裕が子どもにも伝染します。

他のもので気をそらす

よく「あ、ほら⚪︎⚪︎があるよ」などと子どもに声をかけている場面に遭遇しますよね。イヤイヤ期で、あれもこれもイヤと言っている子どもの関心があること以外のことに目や意識を向けることで、泣き止んだり叫ぶのをやめたりすることがあります。

一つのことに集中させるのではなく「ほら、あれがあるよ」「あ、じゃあお家に帰ったら⚪︎⚪︎しようか」など、他に意識を持っていき気を逸らすのも一つの対策です。

イヤイヤ期にもいつか終わりがある

イヤイヤ期、反抗期、とこれからも親がぶつかる問題は子どもが成人するまで何度となくあるかもしれません。

しかし、それらはいつか終わります。いつのまにかイヤイヤと言わなくなり親が気づかないうちに終わっているかもしれません。

イヤイヤ期の渦中は、親も子どもも穏やかな気持ちでいるのが難しいほど、意思疎通ができないもどかしさや、イヤイヤにうまく対応できず落ち込むこと、ダメな対応かもしれないと切なくなることもあるでしょう。誰のせいでもなく、なんのせいでもなく、成長過程のいつか終わる期間だと心得て過ごすことが大切です。叱ることや危険を知らせることは親の役目として必要なことでもあります。

イヤイヤ期は、親の視線を集めたい気持ち、自分でできるのにと自信を持ち始めた気持ちから現れます。子供の一つの成長過程。誰でも通る道と割り切って過ごしましょう。

ShimojiAkane