感受性が豊かすぎて、苦しくなる…
ささいな出来事に敏感に反応して、いつまでも引きずってしまう。友達のつらい思いを聞いたら、自分まで苦しくなってしまう。喧噪の中で自分が削られていく感覚があって、どっと疲れる。毎日頑張りすぎて、休日はベッドで過ごすことが多い。
感受性とは、物事を繊細にキャッチし深く洞察する力のことです。感受性が豊かな人は、普通の人は気づかず通り過ぎてしまうような小さな幸せにも気づける一方で、ささいな環境の変化や他人の感情の揺れに敏感に反応して疲れてしまうことも。
さまざまな情報が飛び交う便利な世の中は、感受性が豊かな人にとっては刺激が多すぎて苦しいと感じてしまい、自分の繊細さが嫌いになりがち。しかし感受性が豊かな人は、多くの強みを持っている才能豊かな人なのです。
感受性とは
感受性とは、外からの変化・刺激を受け取る感度や感じやすい性質のことです。
たとえば、聴覚や嗅覚などの五感が鋭く、音やにおいに敏感な人は感受性が豊かといえるでしょう。時計の針が時を刻む音や服についたたばこのにおいなど、他人はスルーしてしまうようなものにも鋭く反応してしまうことも。
感受性とは、他者の感情を感じ取り、強く共感する力を指します。ほかにも、他人が気にならないことにも敏感に気づいてしまうのも、感受性が強い人といえるでしょう。
感受性が強い主な原因とは?
感受性が強い主な原因には、遺伝的な影響や生まれつきの気質、もしくは幼い頃から小説やドラマが好きで、登場人物に感情移入していたことが挙げられます。
感受性が強い人は、親も感受性が強く、感情豊かな人が多いでしょう。また「HSP(Highly sensitive person)」と呼ばれる「生まれつき繊細で敏感な気質、感受性が豊かな気質を持った人」も多くいます。
感受性は、美術館やコンサートに足を運ぶ機会が多かったことや、幼い頃から音楽や絵が好きだったことから、後天的に育つことも。
映画やドラマをよく見ていて登場人物に感情移入する人も、他人と自分を重ねる癖が身につくため感受性が豊かになる傾向にあります。
つまり感受性とは、心が動かされる体験の回数が多いほど育ちやすいといえるでしょう。
感受性が豊かな人の特徴と長所
感受性が豊かな人は、環境の変化や他人の感情に敏感なため、刺激の多い毎日に疲労感を持ちやすいもの。「何で私はこんなにつらい思いをしているのだろう」と自分の感受性を恨んでしまうかもしれません。
しかし、感受性が豊かな人は素敵な長所をたくさん持っています。長所を活かせば、あなたも周りの人も皆で幸せを感じられる世界を創れますよ。
ここからは、感受性が豊かな人の特徴や長所を解説します。「感受性が豊かなのも悪くないかも」と思えるはずですよ。
相手に寄り添うことができる
感受性が豊かな人は、大切な人に寄り添える優しさを持っています。
感受性とは、人の心の変化を繊細にキャッチする性質のこと。感受性が豊かな人は、相手の葛藤や悩みを自分事のように感じ、つらい気持ちに寄り添えるのです。
また人の素敵なところに気づく感性も鋭いため、相手が自分を責めていても、相手の長所を伝えながら励ます力を持ちます。相手のかけてほしい言葉もキャッチできるという長所もありますね。
感受性が強い人は、誰かから相談されれば、その人が楽になるまで辛抱強くサポートしようとしますよ。
センスがよく、アーティスト気質
感受性が豊かな人は、センスがよく、アーティスト気質です。
日頃からささいな出来事から感動を見出し、言葉や音楽、絵などに落とし込むことを好むのは、感受性が豊かな人の特徴です。周囲の人が気づかない変化を繊細にくみ取り、独自の世界観を表現するため、感受性が豊かな人は芸術的センスに優れていると評価されやすいでしょう。
また、豊かな感受性を生かしてファッションやメイクを楽しんでいるため、美的センスがよいと褒められることも。感受性とは、少しの違和感も見逃さず、ファッションやメイクに統一感を得ようとする感覚ともいえるでしょう。
人の痛み・悲しみに共感できる
感受性が豊かな人は、共感力が高く、人の痛みや悲しみを汲み取る力が高いでしょう。
他人と自分を重ねる癖があり、他人との心の境界線があいまいなことが多いため、人の痛みや悲しみを自分事のように感じる傾向にあります。
「痛みや悲しみを取り除いてあげたい」という思いを持ち、苦しんでいる人のために何でもできてしまう献身的な姿勢が、感受性が豊かな人の特徴の一つ。自分を犠牲にしてでも、誰かを助けたいと思う気持ちが強いでしょう。
人の感情の変化に敏感
感受性が豊かな人は、人の感情の変化に敏感です。
誰も気にしていないようなささいな表情や声色の変化から相手の機嫌をキャッチし、それがネガティブなものならどうにかして状況を改善しようとします。
感受性が強い人は、誰かの愛想笑いや嘘にも敏感に気づき、本当の気持ちを汲み取ろうとしがち。また他人の感情の変化に自分の言動が影響していると考えやすく、「あのとき傷つけてしまったかな」と反省する傾向も。
感受性が豊かな人は、いつでも他人の感情の変化に神経を研ぎ澄ませているのです。
人生に彩りがある・さまざまなことに感動できる
感受性とは、ちょっとした変化にも敏感に反応し、心が揺れ動く気質のこと。つらいことをキャッチするだけでなく、誰も気づかないような出来事をキャッチし、感動できる感性を持っています。
空の色が澄み切った青空ですがすがしい気持ちになる、道ですれ違った赤ちゃんの愛らしさに幸福感を抱く、匂いや肌感覚から季節の変化をキャッチし、楽しい未来に意識が向く。
感受性が豊かな人は、小さなことでも楽しめる感性を持ち、彩りにあふれた毎日を送っているのです。
深い愛情を持っている
感受性が豊かな人は、深い愛情を持っています。
元々は警戒心が強く、簡単には人を信用しない一方で、1度心を開けばその人に何でもしてあげたいと思うのです。大切な人が苦しんでいれば、何でもしてあげたいと強く感じるでしょう。
また動物を愛する人も多く、長く飼っているペットがいる人も。ほかにも持ち物への愛着も強く、物持ちがよい傾向にありますよ。
感受性とは、身の回りのものに深い愛情を注ぐ力と言い換えられるでしょう。
自分勝手さがない、協調性がある
感受性が豊かな人は、協調性に優れている傾向にあります。
他人の感情の起伏を鋭くキャッチし、嫌な気持ちを抱いている人をケアして、その場にいる全員が気持ちよく過ごせるように力を尽くします。ときには自分を犠牲にしてでも、皆が楽しく過ごせればよいと考えることも。
感受性が豊かな人は平和主義な人が多く「皆が幸せになるにはどうしたらよいか」を考えます。何があっても「自分だけよければそれでよい」と思えないのです。
優しいこと、思いやりがあること、寄り添えること
感受性が豊かな人は、優しく思いやりにあふれており、大切な人に寄り添い心を尽くせる素晴らしい人です。
また感受性が豊かな人は完璧主義で、高い理想を持ちがち。「自分の目に入る人は絶対不幸でいてほしくない」と強く願い、全員が嫌な気分にならないように必死に行動し、いつしか疲れ切ってしまうことも。
もしも感受性が豊かなあなたが、周囲の人や目まぐるしく変わる環境に振り回されて心身がボロボロだと感じるなら、大切な人に寄り添える優しさや思いやりを、自分にも向けて愛情を注いであげてほしいのです。
なぜなら本当の意味で他人の幸せをサポートできるのは、自分が満たされて幸せを感じている人だから。人のためを思うなら、まずは感受性が豊かな自分を大切にしてくださいね。
受け止めすぎない、流す力も身につけたい
感受性が豊かな人は、他人との境界線があいまいで共感力が高く、周囲の人の幸せのために力を尽くします。
感受性が豊かな人は、誰かが不機嫌になると「私の言動が悪かったのかな」と考えがち。しかし誰にでも感情に波があり、ときには嫌な気分になります。
他人のネガティブな気持ちを受け止めすぎずに、さらりと流したいもの。誰かが嫌な気分になるのは、あなたのせいではなく、その人自身の問題です。あなたがすべてを引き受けなくてよいのですよ。
意識的に他人との境界線を引くことや、他人の感情を引き受けないこと、自分自身に集中することを心がけましょう。
豊かな感受性を自己犠牲ではなく、自分の世界を素敵に彩るために使ってくださいね。