

自分のことが嫌い…愛せない…

「自分を大事にしよう」「自己肯定感が大切」——そんな言葉をSNSで見かけるたび、心がざわついてしまう。
どんなに周りが励ましてくれても、自分だけはどうしても好きになれない。
見た目、性格、考え方…すべてが不完全で、どうしても受け入れられない。職場や日常では“ちゃんとした自分”を装っているけれど、本当はすべてが空っぽに思えてしまう。
そんな風に感じていると、どんどん自信をなくしていきますよね。
「自分が嫌い」と思うことは決しておかしいことではありません。ですが、少し視点を変えてみることで、自分に対する見方も変わっていくかもしれません。
この記事では、自分を嫌いになってしまった原因や自分を好きになるためのヒントをお伝えしていきます。
自分が嫌いになるのは、あなたのせいではない

「自分が嫌い」と思うたびに、「こんな風に思ってしまう自分が悪いんだ」と、さらに自分を責めてしまう人も多いでしょう。
ですが、それは決してあなた自身のせいではありません。過去に受けた言葉や態度、無意識に刷り込まれてきた価値観が、じわじわと心をむしばんでいることもあるのです。
他人の心ない一言や、理不尽な評価、周囲からの期待。それらが知らず知らずのうちに自己否定の芽となり、「私なんて」「どうせ私なんか」と思わせてしまうことがあります。
自分を嫌いになる背景には、あなたの心が必死に守ろうとしてきた何かがある。
まずは「そう感じるのも無理はない」と、自分にそっと寄り添ってあげることから始めましょう。
自分を嫌いになってしまう原因は?

「私は私が嫌い…でも、なぜ?」。そんなふうに理由がはっきりしないまま、自分を責め続けてしまうこともありますよね。
実は、自分を嫌いになる背景にはいくつもの小さなきっかけが積み重なっていることが多いのです。
ここでは、考えられるいくつかの原因を見ていきましょう。あなたの心が少しでも軽くなるきっかけになれば嬉しいです。
職場でハラスメントを受けている
一日の多くを過ごす職場で、否定的な言葉や態度を繰り返し受けていると、いつの間にか自尊心がすり減ってしまいます。
「こんなこともできないのか」「だからダメなんだ」と言われ続ければ、自分の価値を疑うようになるのも無理はありません。
ハラスメント行為の代表とされるパワーハラスメントだけではなく、セクハラ・アルハラ・マタハラなど、さまざまなものがあり、この他にも多くのハラスメントが存在します。
特に、パワハラやモラハラのような精神的攻撃は、自分の人格そのものを否定されるように感じられ、「自分なんて…」という思いを強めてしまいます。そんな環境にいたら、自分を嫌いになるのは当然です。
まずは「これは私のせいじゃない」と線引きをして、自分を守る意識を持ちましょう。
恋人やパートナーに蔑んだ発言をされる
大切な存在であるはずの恋人やパートナーからの否定的な言葉は、心に深く残り、自分への信頼を揺るがせます。
「そんなこともわからないの?」「君って本当にダメだな」——そんな発言を繰り返し聞かされているうちに、「私には価値がないのかも」と思い込んでしまうこともあります。
身近な存在の言葉ほど、影響は大きいもの。本来であれば愛されるべき関係のなかで、自己否定が強まってしまうのはとてもつらいことです。
「この人の言葉がすべてではない」と少し距離を置く勇気も、自分を取り戻す第一歩になるかもしれません。
幼少期のトラウマ
「子どもの頃に言われた一言が、ずっと心に残っている」そんな経験はありませんか?
「ダメな子」「どうしてできないの?」と繰り返し言われて育つと、大人になってもその声が頭から離れず、自分を否定する習慣が染みついてしまうことがあります。
親や先生など、絶対的な存在に否定されることは、深い傷になります。それが長年、自分を嫌いになる感情の根源となっていることも少なくありません。
過去の自分に「よくがんばってきたね」と声をかけるように、自分の歴史を優しく見つめ直すことができれば、少しずつ癒しが訪れるかもしれません。
完璧主義が故に自分を許せない
いつも100点でなければならない。ほんの小さなミスでさえ、自分を責めてしまう。そんな完璧主義の傾向が、自分を嫌いになる原因になっている場合もあります。
特にSNSなどで「理想の生活」や「完璧な人」を目にする機会が多い現代では、自分と他人を比べて落ち込むことも増えがちです。
完璧じゃないと自分には価値がない、と思い込んでしまうと、できなかったことばかりに目が向き、自分を肯定できなくなってしまいます。
ですが、ミスや失敗があるからこそ人間らしくて、魅力があるのではないでしょうか。
少しずつ「完璧じゃなくてもいい」と思えるようになれたら、自分を見る目も変わってくるはずです。
何でも周囲と比較してしまう
周囲の人とつい自分を比べてしまう。これは、自分を嫌いになる大きな原因の一つです。
「あの人より劣っている」「どうして私はできないんだろう」と思い詰めてしまうと、自己肯定感はどんどん下がってしまいます。
SNSの普及により、他人の“良い部分”だけが目に入りやすくなっている今、自分と他人を比べることは思っている以上に心の負担になります。
「自分は自分」と線引きし、比べないことを意識してみるのが第一歩です。
誰かの期待に応えようとしすぎてしまう
「ちゃんとしなきゃ」「期待に応えなきゃ」——そうやって無理を重ねているうちに、本当の自分を見失ってしまうことがあります。
人の期待を優先して自分の気持ちを後回しにしていると、「自分は何が好きで、どうしたいのか」がわからなくなり、自分自身に嫌気が差してしまうことも。
期待に応えることは素晴らしいですが、それが義務や負担に変わってしまうと、自分らしさが薄れてしまいます。
少しずつ「自分を優先してもいい」と思える時間を増やしていきましょう。
成果主義の環境で育った・働いている
結果ばかりを重視する環境にいると、「できなかった自分には価値がない」と思い込んでしまいがちです。
どんなに頑張っても評価されなかった経験は、心の奥に「自分は足りていない」という感覚を残します。努力そのものを認めてもらえない状況では、達成できなかった自分を責めるクセがついてしまうもの。
成果だけでなく「過程」にも目を向ける視点を持つことで、自分をねぎらう習慣が生まれてきます。
自分を好きになる7つのヒント

「自分が嫌い」という気持ちを抱えているとき、そこから抜け出すのは簡単なことではありません。
「好きになろう」と努力することが、逆にプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。
ですが、自分を好きになるために必要なのは、大きな変化ではなく、小さな一歩の積み重ねです。
ここからは、少しずつ自分を好きになっていくための7つのヒントをご紹介します。
どれもすぐに始められる、やさしいアクションばかり。あなたのペースで、できることから始めてみてくださいね。
寝る前に今日あったいいことを3つ思い出す
眠る前に、その日あった“よかったこと”を3つ思い出してみましょう。
どんなに小さなことでもかまいません。「電車で座れた」「おいしいおやつが食べられた」「好きな音楽が沁みた」——そんなささやかなできごとでもOKです。
自分の毎日に“よいこと”があったと気づけると、自然と少しずつ心が前向きに変化します。
「いい一日だったな」と思える夜が少しずつ増えていくと、そんな毎日を送っている自分のことも、少しずつ認められるようになるかもしれません。
恋人やパートナーに“自分のいいところ”を聞いてみる
自己肯定感が落ちているとき、自分の良さを思い出すのはとても難しいもの。
そんなときは、あなたのことを大切に思ってくれている恋人やパートナーに、「私の好きなところってどこ?」と聞いてみましょう。
身近な人だからこそ、あなたが当たり前にやっている“優しさ”や“頑張り”に気づいているはずです。
その言葉を素直に受け取ることが、少しずつ自分を好きになる一歩になります。「そう見てくれてるんだ」と思えるだけでも、自分を否定する気持ちが少しだけ和らぎますよ。
友人に長所を聞いてみる
信頼できる友人に「私のいいところって、どこだと思う?」と聞いてみましょう。
恋人とは違う視点で、あなたの魅力を見つけてくれるかもしれません。
長く一緒に過ごしてきた友人だからこそ気づけるあなたの“当たり前”は、実はとても特別な長所かもしれません。
「○○なところが好きだよ」「頼りになるところがあるよ」など、自分では気づけなかった自分の価値が見えてくることも。他者の視点を通して、自分を認めるヒントをもらってみましょう。
小さなことでも「心と体にやさしい習慣」を取り入れる
自分を好きになるには、まず「自分を大切にする時間」を持つことが大切です。
たとえば「朝起きたら深呼吸する」、「寝る前に温かいお茶を飲む」、「週に1回は湯船に浸かってゆっくりする」など。
心と体にやさしいことを、日常に少しずつ取り入れることで、自分の存在を「心地よく」感じられるようになります。
毎日の中で、自分が心地よく過ごすことに意識を向けると、自然と「私も悪くないな」と思える瞬間が増えていくはずです。
小さな目標を決めて成功体験を積み重ねる
「自分なんて…」と感じているときは、自信がすり減ってしまっていることが多いもの。そんなときこそ、小さな目標を決めて、少しずつ“できた”を重ねてみましょう。
たとえば「今週は3日間早起きする」「お昼ごはんを自炊する日を1日作る」など、無理なくクリアできる内容で大丈夫です。
目標が達成できた自分を褒めることが、自己肯定感の種になります。小さな成功体験を続けることで、「私、意外とやれるじゃん」と思えるようになるはずです。
外見の“自分磨き”で自信をチャージ
鏡に映る自分を見たとき、「ちょっといいかも」と思えたら、心も少しだけ前向きになります。自分磨きは、心のケアにもつながる大切な手段。
メイクを少し変えてみる、新しい髪型に挑戦する、似合う服を探してみる——そんな小さな変化が自分の自信を作り出してくれます。
外見を整えることで、自分に自信が持てるようになると、自然と自分への見方も変わってきます。「これが今の私らしさ」と思えるスタイルを見つけることが、自分を好きになる後押しになるかもしれません。
自分磨きについては、こちらの記事でも解説しています。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
https://tsubakitomimoza.com/archives/276
ネガティブな発言を控え、笑顔を増やす
「どうせ私なんて」「うまくいくわけがない」——そんな言葉が口ぐせになっていませんか?
ネガティブな言葉は、自分自身を傷つけてしまう刃にもなります。少しだけ意識して、その言葉を手放してみましょう。
無理にポジティブにならなくていいんです。ただ、少しだけ笑顔の時間を増やしてみるだけでいいです。笑顔には、気持ちを明るくしてくれる効果があります。
「笑っていたら、ちょっとだけ元気が出た」そんな経験を、あなたにも届けてあげてください。
自分を嫌になる瞬間を増やさないで

自分が嫌いだ。あれもこれも何も持っていない事実も、自分が嫌いとだと感じてしまうことすらも嫌いだった。
でも、少しだけ、周りからの声で自分のことが好きになれるかもって思えた。このまま変われたら…。
自分が嫌いな時間は、何もしないとどんどん増えていくでしょう。
あれもできないこれもできない、あれも持っていないこれも持っていないと、ないものにばかり注目してしまい、自分のいいところや人から見た長所を見てみぬふりをしてしまいます。
しかし、大事なのはないものではありません。すでに持っているものや、すでにあるもの。自分のいいところや素敵な部分に注目することで、自分が嫌いという感情もだんだんと軽減されていきます。
自分が嫌いになってしまう4つの行動

「どうして私はこんなにも自分を好きになれないんだろう」「毎日努力しているのに…」そんな思いを抱えていませんか?
自分を好きになる道のりは、決して直線的ではありません。調子が良い日もあれば、落ち込んでしまう日もあるのが自然なこと。
けれどもし、頑張っているつもりなのに一向に気持ちが前向きにならないのなら、無意識に“自分を嫌いになる行動”をとってしまっている可能性があります。
ここからは、自分を嫌いになってしまう行動の代表例をご紹介します。
自分を蔑む人とずっと一緒にいる
自分を見下したり、否定してくる人と過ごす時間が長くなると、知らず知らずのうちにその言葉が心に染みつき、「自分なんてダメなんだ」と思い込んでしまうことがあります。
どれだけ前向きな行動を積み重ねても、近くに否定的な存在がいると、心の回復は追いつきません。
恋人、家族、友人……たとえ大切な人でも、自分を傷つけてくる関係ならば、少しずつ距離を置くことを考えてもいいのです。
あなたの価値は、誰かの言葉で決まるものではありません。
ネガティブな言動ばかりを繰り返す
「どうせ私なんて」「やっぱり無理だった」——そんな言葉を、つい口にしてしまっていませんか?
ネガティブな言動は、自分に暗示をかけてしまうようなもの。無意識のうちに、自分の価値を下げてしまっているかもしれません。
また、いつも同じ色の服やコスメを選んでいたり、適当な格好で外出していたりするのも、気づかぬうちに自信のなさを表している行動かもしれません。
小さなところからでいいのです。色や言葉、振る舞いを少しだけ変えてみましょう。
夜に考えすぎてしまう
夜は心が敏感になる時間帯。静かな空間でひとりきりになると、つい深く考え込みすぎてしまい、ネガティブな思考が止まらなくなってしまうことがあります。
「どうして私はこうなんだろう」「またダメだったな」——そんなふうに、夜の考えごとはマイナスな方向へ向かいやすいもの。
悩みごとはできるだけ明るい時間に、気分が落ち着いているときに整理してみましょう。
どうしても夜に思いついてしまったら、書き留めておいて、翌朝あらためて考えるだけでも気持ちに大きな変化があります。
失敗ばかりに意識が向いてしまう
ひとつの失敗をきっかけに、「私ってやっぱりダメだ」「また同じことを繰り返してしまった」と、自分を責めてしまうことがありますよね。
ですが、その一歩を踏み出した“勇気”や“行動”がすでに素晴らしいのです。
失敗は「うまくいかない方法を知ること」であり、前進の証です。過去のうまくいかなかったことばかりに意識が向くと、自分の中の“できている部分”が見えなくなってしまいます。
失敗を責めるよりも、次に活かす自分を、そっと褒めてあげてください。
自分が嫌いなときに見直したい生活習慣

「なんで私はこんなにダメなんだろう…」と、自分が嫌いな気持ちに押しつぶされそうになることはありませんか?
自己否定のループにはまってしまうと、どれだけ努力しても心が追いつかず、余計に自分が嫌いになってしまいがちです。
ですが、そんなときこそ一度立ち止まって、毎日の生活習慣をやさしく見直してみてください。
自分が嫌いな気持ちを少しずつほぐしていくために、“ちょっと変わったけれど本質的”な生活習慣の見直しを4つご紹介します。
部屋に“自分の好きだけ”を集める
自分が嫌いなとき、自分の家・部屋は「ただ居る場所」になっていませんか?
視界に入るものすべてが無機質で、自分らしさのない空間は、自己否定を助長してしまうことも。
そこでおすすめなのが、好きな世界観全開の空間づくり。
誰にも見せなくていい、あなたの「好き」「落ち着く」「ときめく」だけを集めたコーナーを作ることで、「自分が嫌い」な気持ちに染まりきる前に、自分の感性を認める土台が育っていきます。
「誰にも見せない日記」にネガティブな言葉を自由に綴る
自分が嫌いなとき、ポジティブな言葉を書くことはかえって苦しくなることもあります。そんなときは逆に、ノートやアプリに「誰にも見せない前提」でネガティブな本音をそのまま書いてみてください。
「どうせ自分が嫌いなんだから」「また今日もだめだった」そんな言葉でさえ、吐き出すことで少し心が軽くなります。
書く=客観視。あとで読み返す必要はありません。ただ、自分の“感情のごみ箱”を一つ作るつもりで始めてみてください。
朝だけ頑張って、自分をリセットする
自分が嫌いな朝ほど、昨日の延長戦のように起きてしまいがち。そんな毎日を断ち切るには、朝にだけやる“自分だけの時間”を作ってみましょう。
5分だけ体を動かす、推しを見てから起き上がる、3分だけ好きな音楽を爆音で聴く…何でもOKです。
「自分が嫌い」から少し抜け出して、“今この瞬間の自分”に立ち返る時間は、意外なほど効果的。朝の数分が、あなたの自己評価を変えるきっかけになるかもしれません。
“自分だけのご褒美”を週に一度だけ設定する
「自分が嫌い」と感じていると、なにか自分に優しくすることすら申し訳ない気持ちになってしまいます。
ですが、週に一度くらいは「誰にも言わないけど自分が本当にうれしいこと」をこっそり叶えてあげてください。
夜に映画を観ながら好きなアイスを食べる、奮発して高級なお肉を買うなど、誰かに褒められるためじゃなく、“ただ自分のため”に。
自分が嫌いな状態だからこそ、内緒のご褒美がじんわりと効いてきます。
何より「私」を大切にして、自信を持って生きていこう

自分嫌いな性格は、すぐに変わるものではありませんが、変えられる習慣はたくさんあります。
自分が嫌いな理由は何で、なぜそうなったのか、どうすれば自分が嫌いな状態から抜け出せるのかを考えて、日々の行動を少しずつ変えてみましょう。
ですが、今までの自分を否定しないであげてください。
今までも十分頑張ってきた。自分を嫌いになるまで自分と向き合った。自分の性格を自分が一番理解しようとした。
その事実は自分の中で宝物として取っておいてあげてください。
何より「私」であることを大切にして、自信を持って生きていきましょう。